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671 lines
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#,Text
0,
1,タタル
2,タタル・タル
3,"暁の血盟
金庫番"
4," 「暁の血盟」の受付を務めるララフェル族の女性。経理も務めるため、暁の金庫番とも呼ばれる。
 ウルダハの商家に生まれ、幼い頃は豊かな暮らしをしていたが破産を経験。借金取りから追われる生活の中で「金」のなんたるかを学んだタタルは、12歳から宝石商に丁稚奉公し、わずかな給金で貧しい家計を支えてきた。その際、原石を売りに来ていた採掘師時代のミンフィリアと知り合っており、後に彼女が「十二跡調査会」を設立した時、経理担当としてスカウトされることに繋がったようだ。
 この誘いに対しタタルは、単なる商売のためではなく、人のために働いてみたいと快諾。その後、拠点である「砂の家」において受付も担当するようになると、得意の交渉術を駆使して人脈を広げ、異能者の互助組織としての側面を持つ同組織において「超える力」保有者の発見にも貢献した。
 第七霊災を経て「救世詩盟」との合併に伴って「暁の血盟」が設立されると、引き続き受付・兼・金庫番として活躍。ウルダハの政変に巻き込まれる形で、暁が瓦解しかけた際にも光の戦士やアルフィノとともにイシュガルドへと落ち延び、組織再建の道筋を造っている。また、東方遠征にも同行し、クガネにおいて東アルデナード商会と協力関係を構築し、当地における反帝国活動を支えたことも称賛に値するだろう。
 なお、本人としては、長らく戦闘行為において貢献できないでいたことに思う所があったらしく、得意の計算術に通じる巴術の修行を行ったこともあった。しかし、召喚した使い魔「カーバンクル」に逃げられるなど、上手くいかず、その後は採掘や裁縫の技を修めることに注力。職人としても一流と言って良い腕前へと成長を遂げている。その腕は、光の戦士の旅装束や、賢人たちのための装備の製作にも遺憾なく発揮され、後には「大繁盛商店」なる武具店をオールド・シャーレアンに開店させるまでに至った。"
5,暁の血盟
6,暁の血盟
7," ルイゾワ・ルヴェユールがエオルゼアの救済を目的として立ち上げた「救世詩盟」と、ミンフィリア・ウォードが設立した「十二跡調査会」が、第七霊災の後に合併する形で成立した秘密結社。
 蛮神問題の解決やガレマール帝国による侵略、そして、歴史の陰で暗躍する「アシエン」への対抗を活動の主目的に据えており、エオルゼア諸国の盟主とも強固に連携してきた。
 また、これらの問題の解決の糸口として、異能「超える力」にも着目しており、異能者の勧誘も進めていた。後に英雄と称される光の戦士もまた、「超える力」の持ち主として同組織へと勧誘されている。
 彼らは蛮神の討滅や帝国軍第XIV軍団との戦いで活躍。公的な組織として知られるようになると、先行統一組織「クリスタルブレイブ」の立ち上げにも関与したが、ウルダハの共和派と対立し、ナナモ女王暗殺の嫌疑をかけられ瓦解寸前にまで追い込まれる。しかし、王党派ラウバーンとナナモ女王の復権により疑いを晴らし、アラミゴやドマの解放にも大いに貢献を果たした。
 その後、終末を巡る騒動の解決を以て、使命を果たし終えたとして対外的に解散を発表。再び秘密結社となり、表舞台から姿を隠したのだった。"
8,終末の災厄
9,終末の災厄
10," 古の昔、「アーテリス」と呼ばれていた星を襲った破滅的な災厄のこと。
当時の人々は、生命を創ることすら可能な「創造魔法」と呼ばれる奇跡の術を操り、繁栄を謳歌していた。しかし、大地が鳴くという奇妙な現象の後、次々と創造魔法が暴発し、恐怖を体現したかのような異形の獣が出現。またたく間に人類は滅亡の淵へと追い込まれた。
 人類の代表者たる十四人委員会は、この現象が星の最外層を巡るエーテルの流れ、「天脈」が薄い地域から発生していることに着目。天脈を敷き直すべく、新たなる星の理たる存在「ゾディアーク」を召喚した。それは残存人類の約半数の命を糧とせねばならないほどの大業であったが、多くの人々は賛同し従ったという。
 この災厄については長らく歴史から忘れられてきたが、現代において終末の再来を宣言する組織テロフォロイが活動を始めたことで、「暁の血盟」が調査に乗り出した。
 結果判明したのは、古代人「ヘルメス」が命の意味を問うために天へと放っていた星渡る創造生物「メーティオン」が、災厄の発生源となっていたことだった。先ゆく星々の絶望を取り込んでしまった彼女は「終焉を謳うもの」と化し、想いによって作用する力「デュナミス」を行使して、苦しみに満ちた生を繰り返さぬようにと星々を滅びへと誘っていたのだ。
 光の戦士たちが希望を繋ぎ、これを解き放ったことで、終末もまた終わりを告げたのだった。"
11,エスティニアン
12,エスティニアン・ヴァーリノ
13,"暁の血盟
竜騎士"
14," かつて竜騎士団を率いていた「蒼の竜騎士」にして、「屠龍」の異名で呼ばれたイシュガルド系エレゼン族の男性。
 クルザス東部高地で牧羊を営む家庭に生まれるが、12歳の時、故郷ファーンデールが邪竜「ニーズヘッグ」に襲われて壊滅。両親と弟を殺され、天涯孤独の身となる。そんな彼を養ったのが、時の「蒼の竜騎士」アルベリクだった。エスティニアンにとってアルベリクは、故郷を守れなかった男であると同時に、復讐の力となる槍術の師匠であり、第二の父親でもあるという複雑な関係である。
 そんな男の下で黙々と修行を続けた彼は、やがて神殿騎士団へと入隊。そこでもまた竜を狩ることだけに執着し続け、同じ部隊の仲間の名すら覚えない程であったという。だが、同じく隊内で浮いた存在であった若き神殿騎士アイメリクとは、年が近いこともあってか馬があい、竜との死闘を経て親友と呼べる間柄となる。その後、竜狩りの功績が認められて竜騎士団への入団を許された彼は、やがて仇たるニーズヘッグから引き抜かれたとされる秘宝「竜の眼」に認められ、その力を利用して戦う「蒼の竜騎士」の称号を得たのだった。
 莫大な魔力を有する「竜の眼」は強大な力を与えると同時に使い手の精神を蝕む、正に諸刃の剣である。エスティニアンが半ばニーズヘッグに魅入られながらも、どうにか正気を保てた背景に師と友の存在があったことは疑いの余地がない。加えて、皇都に来訪した光の戦士とアルフィノ、そして敵として出会ったイゼルの存在もまた、彼の人生に大きな影響を与えた。
 エスティニアンは彼らとともに、竜の根拠地たるドラヴァニア雲海へと向かったのだ。この旅で彼は聖竜フレースヴェルグから、竜詩戦争の発端となった真実、すなわち古のイシュガルド王トールダンによる詩竜ラタトスク謀殺の事実を知り、また仇として追い続けていたニーズヘッグの討伐を成し遂げる。これが竜詩戦争の終結とイシュガルドの変革に大きく寄与したことは周知のとおりである。
 この後も、エスティニアンは光の戦士たちに同行。蛮神を利用した強制教化による恒久平和の実現を目論むトールダン7世の追撃に協力したが、この戦いの果てに、ふたつのニーズヘッグの眼を手にしたことで肉体を乗っ取られ、「邪竜の影」と化してしまう。かくして祖国の敵となった彼であったが、旅の仲間たちと親友の尽力により、後に救われることとなる。
 その後、彼は祖国の共和制への移行を見届けると、兜を置いて出奔。これ以降は気ままな旅を続け、陰ながら光の戦士たちのアラミゴ攻めを支援するなどした。だが、タタルとクルルからの猛烈な勧誘に屈して帝都ガレマルドの調査に協力した後、正式に「暁の血盟」に加入。終末を巡る旅にも同行した。
 なお、彼は仇敵の血で濡れた竜槍を「魔槍ニーズヘッグ」と名付け、そのまま使い続けている。またサベネア島で出会った星竜ヴリトラとは、奇妙な友人関係を構築するなど、今なお七大天竜との縁が深いようだ。"
15,グ・ラハ・ティア
16,グ・ラハ・ティア
17,"暁の血盟
オールラウンダー"
18," 「暁の血盟」に所属するミコッテ族の男性。
 イルサバード大陸南部、コルヴォ地方の出身。その豊かな土地には、第三星暦の時代にアラグ帝国の地方都市が築かれ、被支配層だったミコッテ族が、労働力として送り込まれていた。彼の一族はその頃から当地に暮らし、現代に至るまで、アラグ文明の遺産を保護、研究してきたという。しかし近年、ガレマール帝国の属州となり、アラグの知識を求める名門ダーナス家が接近してきたことで状況が一変。一族はアラグにまつわる数々の知識を、代々受け継いできた「紅血の魔眼」の継承者であるグ・ラハ・ティアごと、シャーレアンの組織「バルデシオン委員会」に譲渡したのだった。
 以降はシャーレアン籍となり、同委員会で研究に没頭。アラグ文明の研究において賢人位を獲得するまでになる。
 そんな彼に、アラグの遺産であるクリスタルタワーの調査依頼が持ちかけられたのは必然だっただろう。そこで、英雄として頭角を現し始めていた光の戦士と出会い、聖コイナク財団のラムブルース、ガーロンド・アイアンワークスのシドらとともに、調査団「ノア」を結成。アラグ帝国崩壊にまつわる闇を暴くとともに、目覚めたクローンのドーガとウネから、自身の継承する魔眼が古くは「皇血の魔眼」と呼ばれアラグ皇族の証だったと聞く。
 それは、最後の皇女サリーナによって未来に託された希望、クリスタルタワーを制御しうる権限だったのだ。ドーガとウネから血を補われたグ・ラハ・ティアはその使命を自覚し、人々がアラグの遺産を正しく活用できるようになる日まで、塔とともに封印という眠りについたのだった。
 果たして、願いは聞き届けられたのだろうか。彼が次に目覚めたのは、約200年後……第八霊災の発生によって、世界はすっかり荒廃していた。塔の封印を解いたビッグスIII世たちの一味は、時間と次元の転移術によって「第八霊災が発生しない歴史」を確立しようと活動していた。光の戦士の英雄譚によって繋がった彼らの手で、グ・ラハ・ティアはクリスタルタワーごと、過去の「第一世界」に跳ぶこととなる。
 第一世界は、光属性の過剰な高まりによる災害「光の氾濫」によって滅びの危機に瀕していた。その属性の偏りがさらに進めば、原初世界で第八霊災が誘発されてしまう。彼は自身を塔の端末とすることで不老の身と魔力を得、塔のもとに避難してきた人々とともに「クリスタリウム」の都市を形成。「光の氾濫」が生んだ異形「罪喰い」との戦いを開始する。
 以降100年近くの時を「水晶公」として戦いに費やした彼は、「大罪喰い」を討伐するにあたって原初世界から「暁の血盟」の面々と光の戦士を召喚。いっときは自身の命と引き換えに世界を救おうとするものの、数奇な運命と仲間たちの尽力から、生きて役目を成し遂げるに至る。
 そんな彼が望んだのは、再びグ・ラハ・ティアとして、光の戦士とともに冒険に出ることだった。呼び寄せた仲間たちを原初世界へ返すという難題を乗り越え、彼自身もまた原初世界へと帰還。晴れて「暁の血盟」の一員となる。以降は持ち前のアラグの知識と、水晶公として培った経験で仲間たちをサポートしつつ、ひとりの只人として日々を謳歌している。
 数々の夢を追って来た彼だが、「暁の血盟」が表向きに解散してからは、古巣のバルデシオン委員会に戻り再建を手伝っている。あわよくば面白い冒険の種を見つけ、光の戦士とともに乗り出すことを、新たな夢として抱きながら。"
19,クルル
20,クルル・バルデシオン
21,"暁の血盟
魔道士"
22," 「暁の血盟」に所属するララフェル族の女性。
 幼くして両親と死別し、その後は「バルデシオン委員会」の設立者としても知られる人物、ガラフ・バルデシオンの下で養育されてきた。そうした生い立ちに加え、異能「超える力」の発現にも彼女は苦しめられた。特に他者の意思を感じる能力に優れていたがゆえに、知りたくもないことを知って傷つくことも多く、また周囲の人々から薄気味悪く思われることもあったようだ。だが、養父ガラフはネコのような大きな耳のついたフードを手渡すと、異能は個性であり怖れるものではないと教えたという。この言葉に救われた彼女は、やがて異能を受け入れると同時に、その力を善きことに役立てようと勉学に励むようになったのである。
 魔法の才にも優れていたクルルは、やがてシャーレアン魔法大学に進学。魔法学部に在籍し、治癒と浄化の魔法を修めている。アルフィノ、アリゼーのルヴェユール兄妹と知り合ったのもこの頃で、今も先輩後輩の間柄として親しくしている。卒業後は、義父ガラフの活動を支えるべく「バルデシオン委員会」に所属。協力関係にあった「暁の血盟」がウルダハの政変に巻き込まれた際には、エンシェント・テレポによって行方不明となった賢人の捜索を支援すべく、エオルゼアへと渡っている。
 これに前後してバルデシオン委員会の本部施設があったバル島がアルテマ級の魔法攻撃によって消滅し、事実上、組織が瓦解していたこともあって、エオルゼア渡航後は「暁の血盟」と行動を共にしており、後に正式に加入。魔法的な知識と異能「超える力」を活かして、数々の脅威に立ち向かった。
 なお、アラミゴ解放の戦いに従軍した際には、帝国軍の虜囚となる経験をしている。「超える力」を有する彼女を捕らえ、そのエーテル波形を記録したことで、魔導技師アウルスは疑似的な超える力とも言うべき「超越者」技術を開発しており、フォルドラやゼノスが異能を得る要因となった。その後、光の戦士たちの手で救出された彼女は、休養を経て復帰。賢人たちが第一世界へと強制召喚され、昏睡状態に陥った際には、彼らの肉体を保全するために尽力した。
 また、テロフォロイの出現によって終末の危機が迫ると、エオルゼア諸国からの協力要請を拒むシャーレアンの真意を探るために本国へ帰還。後に「バルデシオン委員会」の代表代行としての立場を利用することで、暁の主要メンバーをオールド・シャーレアンに招く算段を付けるなどした。
 終末の危機が去り、「暁の血盟」が秘密結社としての有りように戻るべく対外的に解散を発表した後には、「バルデシオン委員会」再建に注力。同組織の代表代行として、数少ない生き残りや新たな加入者たちとともに、亡き義父ガラフの遺志を継ごうと努力を続けている。"
23,ヤ・シュトラ
24,ヤ・シュトラ・ルル
25,"暁の血盟
魔女"
26," 「暁の血盟」に所属するミコッテ族の女性。
 魔法の才が豊かだった彼女は、7歳の時に賢者と名高いマトーヤに弟子入りする。しかし、師匠にとって彼女は喜ぶべき存在ではなかった。賢人会から課せられた義務で、嫌々受け入れたに過ぎなかったのだ。マトーヤは厄介払いとばかりに、厳しい修行を幼い弟子に強いた。だが、生来の負けず嫌いであるヤ・シュトラは、大人でも音を上げる試練にも歯を食いしばって耐え続けたという。やがて頑固者の少女の中に、自分と似たところを見出したのか、マトーヤは「シュトラ」の存在を認めるようになっていく。10年後、マトーヤの洞窟を後にした彼女が、魔法学の分野での知識と功績から、賢人位を与えられたのも当然であろう。
 かくして独り立ちした彼女は、マトーヤの友人でもあったルイゾワ・ルヴェユール率いる「救世詩盟」に参加。第七霊災の到来が迫る中でエオルゼアに渡り、主にリムサ・ロミンサで活動してきた。その中で同都市の指導者、メルウィブから厚い信頼を得るに至り、形骸化していたエオルゼア都市軍事同盟の再立ち上げなどに貢献。カルテノーの戦いにおいてルイゾワ師が戦死した後には、「十二跡調査会」との合併によって誕生した新組織「暁の血盟」へと参加している。
 その後も暁の賢人たちとともに、蛮神問題や帝国軍第XIV軍団への対応などに奔走。ウルダハの政変に巻き込まれた際には、クリスタルブレイブの兵に囲まれたものの、禁術エンシェント・テレポを使用することでサンクレッド共々、強制転送を敢行して脱出。しばしの間、地脈を彷徨うことになったが、光の戦士や幻術皇カヌ・エ・センナの力によって引き上げられ、九死に一生を得ている。ただし、この経験の副作用として視力を喪失。エーテルによって周辺環境を視ることで、生活に支障がないどころか、戦闘すらこなしてみせているが、これは魔力の消耗が激しい諸刃の剣でもある。
 復帰後は、教皇トールダン7世を追うために魔大陸への遠征に同行。竜詩戦争の終結に貢献した後には、アラミゴ解放の戦いにも参加している。
 また、水晶公による強制召喚に巻き込まれる形で、魂のみの状態で第一世界に渡航。彼の地では、ラケティカ大森林に根を張っていた「夜の民」と協力関係を構築し、真の名を秘す彼らの文化に則って魔女「マトーヤ」を名乗るようになる。それまで治癒術を用いることが多かった彼女が、より適した戦い方として破壊の魔法を多用するようになったのも、この頃から。
第一世界に闇を取り戻した後、原初世界に帰還すると、引き続き「暁の血盟」の主要メンバーとして活躍。テロフォロイによる終末危機に際しても大いに奮戦し、天の果て「ウルティマ・トゥーレ」への旅にも同行した。
 深淵な知識と優れた魔法によって仲間を支えてきた彼女だが、その根底には、常に「世界の真実」を知ろうとする探究心があった。それが師マトーヤから受け継いだものであることは、親しき者であれば、誰もが知るところである。"
27,ハイデリン
28,ハイデリン
29,蛮神
30," 惑星「アーテリス」の運行を司るもの、すなわち「星の意志」と考えられていた存在。
 いにしえより、「超える力」と呼ばれる異能を持つ者が、彼女の呼び声を聞くという事象が報告されており、中には巨大なクリスタルがある空間に招かれたと語る者もいた。それらの証言によって、いつからか巨大なクリスタルは「マザークリスタル」と呼ばれるようになり、「ハイデリン」の名は星そのものの呼び名としても使われるようになったという。
 彼女に呼ばれた者は、ときに、「光の加護」と呼ばれる力を得た。これはエーテルの変質を防ぐものであり、蛮神の術による精神汚染などを受けなくなることが実証されている。
 ハイデリンの存在は長く人々に語り継がれ、ときにはシャーレアンのように具体的な研究に乗り出す者もいた。しかしその正体が、古代人「ヴェーネス」を核として創られた存在、いわば古き蛮神であるということを知る者は少ない。
 ヴェーネスは、古代世界の最高機関である「十四人委員会」で、「アゼム」の座を務めていた女性である。もともとは世界の成り立ちや法則について追究する学者だったというが、情熱に突き動かされ、世界を肌で感じるために旅を始めた。アゼムとしての任期中はもちろん、座を後任に譲ったあとも、精力的に各地を飛び回っていたようだ。
 やがて彼女は「エルピス」の地で、時代を遡ってきた光の戦士と出会う。そして知った、先行く星々の絶望……アーテリス外の生命は、生きるという行為をすでに見限っていたのだ。それを受け取ってしまったメーティオンが、遥か天から「終末の災厄」を引き起こしていると知ったことで、ヴェーネスの長くつらい戦いがはじまった。
 彼女はハイデリンとなり、ゾディアークにすがって過去への回帰を望む人々を、世界もろとも十四に分断した。分かたれたゾディアークはそれぞれの世界の月に封じられ、人もまた、仮初の全能を失った。絶望なき世界が在りえないのであれば、絶望とともに歩む強さを得なければならない……それこそが、星を愛し、人を愛し、その可能性を信じたヴェーネスの答えだったのだ。
 霊災が起き、世界が統合されるたびに、ゾディアークは力を取り戻していく。どうにか抑え込むものの、ハイデリンの力は摩耗していく一方……。
 しかし、人はついに、自らの足で彼女のもとに辿りつく。その強さと未来を見定める、最後の試練として立ちはだかった彼女は、魂までも振り絞って光の戦士たちと死闘を繰り広げたのだった。
 勝利した光の戦士たちに、天の果てへと至る道を示して消滅したハイデリン。しかし彼女の想いは今も、命満つる全ての子らを、死に裁かれし全ての子らを、見守っていることだろう。"
31,鏡像世界
32,鏡像世界
33," 我々が暮らす「原初世界」と異なる次元に並立する十三の世界のこと。
 ゾディアークを封じるにあたって、力に劣るハイデリンは渾身の力を以て、世界ごと対象を分断するという離れ業を演じてみせた。これにより、世界は十四に引き裂かれ、そこに棲まうすべての生物もまた十四分の一に「薄く」なったという。
 このとき分かたれた十三の世界は、一般に「第一世界~第十三世界」と呼ばれるのだが、地形その他は鏡に映したかのように似通っていたようだ。「鏡像世界」と名付けられたのは、それゆえである。
 ただし、分割後の一万二千年の間、異なる歴史を歩んだため、各世界には異なる文明が花開いており、環境にも差が生じているという。またアシエンが原初世界への統合を進めたことで、既に計7つの鏡像世界が消え去っている。
 なお、すべての世界がズレた次元の上に存在しているのだが、「次元の狭間」を挟んだ世界の「繋がりやすさ」には差があるとも言われている。原初世界を起点に、時計盤の上に並ぶ数字のように世界が並んでいる姿を想像してほしい。原初世界に隣接する第一世界と第十三世界は、世界を隔てる壁が薄く、第七世界や第八世界は厚い壁に挟まれているのだ。"
34,クリスタルタワー
35,クリスタルタワー
36," 約六千年の昔、まだ第三霊災の余韻が残るエオルゼアに、魔道士の軍勢を率いて覇を唱えた男がいた。男の名は「ザンデ」、そして彼が樹立した国家こそ、歴史に名高い「アラグ帝国」である。アラグ帝国は魔法と科学を融合させた「魔科学」を確立し、大いに発展。エオルゼアのみならず、現在の北州イルサバード大陸や、東州オサード小大陸にまで版図を広げた。
 しかし、長く続いた平和と栄華は、やがて人心を退廃へと誘うこととなる。建国から千年が経つころには発展も頭打ちになり、人々は快楽と安寧を貪るようになっていた。その状況を打破するために立ち上がったのが、魔科学者「アモン」だ。
 彼は研究を重ね、ついに始皇帝ザンデを復活させた。ザンデは世界統一に乗り出し、その野望のもとでアラグ帝国はにわかに活気を取り戻したのだ。戦の中でザンデが活用した力のひとつに、異界「ヴォイド」から招いた妖異の軍勢がある。ザンデは魔王級の妖異「暗闇の雲」と血の契約を交わし、妖異たちが行き来するためのゲートを開く代わりに、軍勢の貸与と皇族の繁栄を約束させたのだ。
 そんなアラグ史に沿って、太陽の力を集積するために建造された「クリスタルタワー」は、帝国のエネルギー供給を支え続けてきた。繁栄の時代には、国を潤す公益施設として。衰退期には、ザンデ復活に必要な力を集めるために。そして彼の復活後は、ヴォイドゲートを開く力を賄ったのだ。
 ザンデはやがて、「暗闇の雲」本体を原初世界に招き入れる計画を立てる。南方遠征の際に捕らえた龍神「バハムート」を人工衛星「ダラガブ」に封じて天に昇らせ、フレアを操るその力で太陽の力をさらに集めようとしたのだ。これが、アラグ帝国に終焉をもたらした。ダラガブから注いだ莫大な力に、クリスタルタワーを支える地盤が耐えきれず、地殻が崩壊……第四霊災とされる大地震を引き起こした。塔自体もまた地中へと沈み、歴史から姿を消したのだった。
 それを再び地上に引き上げたのは、第七霊災の衝撃だった。長い時を経てもう一度動き出したザンデらの野望は、調査団「ノア」の活躍と、アラグの時代から受け継がれた希望によって食い止められたのだった。"
37,ウリエンジェ
38,ウリエンジェ・オギュレ
39,"暁の血盟
占星術師"
40," 「暁の血盟」に所属するエレゼン族の男性。
 幼少期から書を好み、特に興味を抱いた預言詩については、真贋を問わず古今東西ありとあらゆる詩を読みあさってきた。そのためか少年の頃から難解な詩的表現で会話するようになってしまい、同年代の者たちからは浮いた存在だったという。だが、自身のたゆまぬ努力と、幼なじみムーンブリダの支えもあって、難関シャーレアン魔法大学に入学。さらには預言詩研究の権威である賢人ルイゾワに弟子入りすることもできた。師が結成した「救世詩盟」に参加したのも、第七霊災の到来を暗示した「メザヤの預言」の記述を確かめたいとの想いが、強く影響してのことだったという。
 第七霊災の直前のこと、来たるべき災厄を警告するためにエオルゼアに渡航。人々に備えを呼びかけたが、独特の語り口から不審者として噂されたことも。敬愛するルイゾワの死後は、他の賢人と同様に「暁の血盟」へ参加。ザナラーンにおける同組織の拠点「砂の家」の執務長を務めた。
 専門である預言詩を含む古の知識に詳しく、その博学さは「暁の血盟」の活動を下支えした。しかし、その一方で自らの感情よりも、事実関係や学術的な正確性に重きをおいた発言を重ねたことで、かえって聞く者に誤解を与えることもあった。特にムーンブリダがアシエン・ナプリアレスとの戦いで死した後には、生来の責任感の強さも相まって、その傾向に拍車がかかった。結果、アシエン・エリディブスの接触を受けた際には、世界の真実に迫る情報を得るため、そして闇の戦士たちから伝え聞いた第一世界の危機を回避するため、独断で行動してしまう。彼の行いは決して裏切りではなかったが、星の代弁者となっていた「暁の血盟」の盟主ミンフィリアを第一世界に送るなど、重大な決定を独りで下しており、ウリエンジェ自身も強い負い目を感じることとなってしまう。
 また水晶公による強制召喚に巻き込まれる形で、第一世界へと渡った後も、最善の道を選ぼうとするがゆえの苦悩は続いた。水晶公から、公自身の犠牲を前提とした救済策への協力を求められ、受け入れたことは、まさにその好例であろう。ウリエンジェはこの盟約に従い、水晶公から伝え聞いた「第八霊災後の未来」に関わる情報を、自らが次元の狭間で垣間見たヴィジョンであると偽って伝えることで、仲間たちの活動方針に影響を与えている。その後、妖精郷イル・メグでの隠遁生活を経てから、仲間たちと合流し活動を本格化。だが、英雄は水晶公の策を否定し、彼の死を許さなかった。その姿に胸打たれたウリエンジェは、以後、仲間に己の想いを秘してきたことを悔い、新たな生き方を模索しはじめる。
 このような変化は、原初世界への帰還後に訪れた終末危機に際しても好影響を与えた。月の民たるレポリットとの信頼関係の構築、そしてムーンブリダの両親との再会。そのいずれもが、魔導船「ラグナロク」の完成へと繋がり、やがては絶望に抗う力ともなったのだった。"
41,ヴリトラ
42,ヴリトラ
43,ラザハン太守
44," 「ミドガルズオルム」の仔にして、「七大天竜」の一翼。心優しき巨大な竜である。彼を覆う深緑の鱗から作られた護符「護魂の霊鱗」は、精神汚染を引き起こすエーテル放射を打ち消すものとして、「暁の血盟」および各国に重宝されている。
 そこに至る経歴を紐解こう。現在ラザハンの都があるサベネア島の大岩には、古くから彼ヴリトラが棲んでいた。そのうちにマタンガ族の祖先が島にやってきて住み着いたものの、彼らは偉大なる竜のねぐらを決して侵さなかった。次にやって来たアウラ族もそれに倣い、人と竜の緩やかな関係が築かれていったのだ。
 変化が訪れたのは、大陸からヒューラン族が攻め入ってきたときのこと。ヴリトラ自らが進み出て、戦いを収めたのだ。人々は深く感謝し、彼のもとに和平の取り決めをした。かくしてヴリトラはより深く人と関わることになったのだが、強大な竜の力がかえって火種となりかねないと考えた彼は、表舞台に立つことを固辞。アウラ族の族長アルザダールに表向きの代表として立つことを願い出る。こうして、種族と文化が入り混じった多彩なる国「ラザハン」の原型ができあがったのだ。
 表向きの太守一族と協力しながら、ヴリトラはラザハンの発展を見守り、民を慈しんできた。ときにはラザハン式錬金術の粋を集めた魔法人形に、強い魔力を帯びた自身の眼をはめこみ、分身を作成。正体を隠して市井に紛れ込んでいたようだ。分身の多くは「太守の付き人」という肩書になっており、やがては外交官になって異国へ赴任……もとい、別の人形に入れ替えられるのである。
 光の戦士たちがサベネア島を初めて訪れた際にも、彼は「ヴァルシャン」と名乗るアウラ族の子どもに扮していた。七大天竜の中でも末弟であると語る彼だからこそ為せる技なのか、人々にしっかり弟分として可愛がられていたようだ。
 そんな彼の愛するサベネア島で、「終末の災厄」が発生。負の感情を抱いた民が次々と獣へ転じ、未曽有の惨劇へと発展してしまう。長年ヴリトラの右腕を務めてきた太守「アヒワーン」さえも、混乱の最中で民を護り落命。その最後の願いを受け、エスティニアンに背を押されたヴリトラは、真の太守として民の前に立つことになったのだった。
 終末が去った今、ラザハンはヴリトラのもとで再建への道を歩み始めたようだ。名実ともに太守として知れ渡った彼だが、今でも人形を使って街へ赴いている。素性を隠すためではなく、竜の身では降り立てない入り組んだ街の隅々まで、しっかりと眼に映すために。"
45,七大天竜
46,七大天竜
47," ドラゴン族の中でも、特に強大な力を有するとされる七翼の竜のこと。
 始原の時、すべてのドラゴン族の始祖たる幻龍「ミドガルズオルム」は、七つの卵を携えて飛来し、惑星ハイデリンに降り立った。そして星の意思たるハイデリンと盟約を交わし、この星を新たな棲処とすることを決めた。この卵から孵った存在こそ、「七大天竜」と呼ばれる竜たちであり、後に聖竜フレースヴェルグ、邪竜ニーズヘッグ、詩竜ラタトスク、光竜バハムート、闇竜ティアマット、月竜アジュダヤ、星竜ヴリトラと呼ばれるようになった。長じて逞しい竜となった彼らは世界各地へと散り、多くの子を儲け、多くのドラゴン族が生まれたのである。
 なお、バハムートは第三星暦末期に古代アラグ帝国の軍勢との戦いで、ラタトスクとニーズヘッグはイシュガルドとの対立の果てに、それぞれ討たれている。現存が確認されているのは、フレースヴェルグ、ティアマット、ヴリトラの三翼。このうち末弟であるヴリトラは、古くよりサベネア島の民と交わり、交易都市ラザハンの成立にも貢献、長らく太守として陰ながら人々を導いてきた。一方、アジュダヤについては行方不明となっており、生死も定かではない。"
48,エーテル
49,エーテル
50," すべての命の源とされる生命エネルギーのこと。
 生物の「生命力」や「魂」は、すべてエーテルによって構成されており、これが失われることで死を迎えることになる。ある学説によれば、生物が食事を摂る際には、栄養に加えてエーテルも摂取しているのだという。また、生物が宿すエーテルは、しばしば「魔力」とも呼ばれ、魔法的な現象の原動力としても用いられている。
 このようにエーテルは、生命活動にとって非常に重要な要素であるが、生物のみならず星そのものにも流れていることを忘れてはならない。大地を流れるエーテルの奔流「地脈」や、風とともに大気中を巡る「風脈」……これらが枯渇すれば、その地域は生物が暮らすことのできない死の大地になってしまうという。
 ちなみに生物が死した場合、その生命力や魂を構成していたエーテルは霧散し、我々が暮らす「物質界」と折り重なるように存在する「エーテル界」へと還っていく。一方で、激しい戦いや災害で瞬間的に大量の生命が失われたり、地脈が傷つけられたりした場合などには、エーテル界への還元が間に合わず、結晶化して物質界に残留する場合がある。これが一般に「クリスタル」と呼ばれている物質である。"
51,フルシュノ
52,フルシュノ・ルヴェユール
53,哲学者議会
54," 北洋系エレゼン族の男性。北洋諸島を根拠地とする学術都市シャーレアンにおいて、市民からの投票で選ばれた99人の議員、すなわち「哲学者議会」の一員である。ガレマール帝国がアラミゴを制圧した際には、低地ドラヴァニアに存在していた植民地から全住民を緊急退避させるという、「大撤収」の陣頭指揮を執った。
 ルヴェユール家は、シャーレアンを代表する名家のひとつだ。第六霊災の際、開祖「ニュンクレフ」とともに箱船に乗船し、洪水から人々を救った者の直系とされている。そういった経緯もあってか、「争いから身を離し、知識と理性によって人を進歩させる」というニュンクレフの教えを非常に重んじてきた。現当主であるフルシュノもまた、それを理想として生きてきたひとりである。
 また、彼の属する哲学者議会は、長年にわたりある秘密を抱えてきた。遡ることおよそ270年前、星海探索中に邂逅した「ハイデリン」から、やがて来たる「終末の災厄」について伝えられたのだ。以来、哲学者議会は星外脱出計画を密かに推し進め、船としての機能を兼ね備える「月」へ、人々と収集した知識を運び出せるように準備をしてきた。フルシュノも、議員となった際に、その事実を知ったようだ。
 やがて、彼とアメリアンスの間にアルフィノとアリゼーが生まれる。フルシュノは子どもたちの未来のために、何としてでも終末の危機を回避することを固く決意。以来、議員としての仕事に没頭してきた。偉大なる父ルイゾワがエオルゼアに渡り、第七霊災を止めるために命を散らしたことも、その覚悟を頑なにした要因だろう。
 ゆえに、終末を巡っては、「暁の血盟」とともに戦おうとするアルフィノ、アリゼーに断固反対の姿勢を示した。子どもたちに嫌われてでも星外脱出計画を推し進め、無理やりにでも逃がせばいいと考えていたのだ。しかし、数々の旅を経て成長した子どもたちの決意もまた揺らがなかった。彼らは不可能かと思われた「エーテル縮退炉」の改良をもってそれを表明。フルシュノはついに心中を明かし、子どもたちを後押しするとともに、家族として責任を分かち合うと誓った。
 彼はさらに改良した天往く船を、「魔導船ラグナロク」と命名。「暁の血盟」とクルーたちを乗せたその船は、見事に天の果て「ウルティマ・トゥーレ」へと至り、終末は退けられたのだった。"
55,エオルゼア
56,エオルゼア
57," 世界最大の大陸である「三大州」のうち、西側に位置するアルデナード小大陸と、その周辺に浮かぶバイルブランド島やマズラヤ島などの島々を含めた文化圏のことを「エオルゼア」と呼ぶ。
 この一帯は環境エーテルに恵まれており、自然環境が豊かであることから、古来より多くの人々が暮らしてきた。そのため、しばしば当地で信仰されてきたエオルゼア十二神を引き合いに、「神々に愛されし地」とも称される。
 近代のエオルゼアにおいては、俗に「エオルゼア六大都市」と呼ばれる都市国家群、すなわちリムサ・ロミンサ、グリダニア、ウルダハ、イシュガルド、アラミゴ、シャーレアンが並立し、比較的安定した「凪の時代」を迎えていた。ところが第六星暦1557年にイルサバード大陸の覇権国家「ガレマール帝国」の侵略を受け、アラミゴが陥落。シャーレアンが植民都市を放棄して、北洋諸島へと「大撤収」するなどして混迷の時代に突入することとなる。
 しかし、第七霊災を経て、エオルゼア都市軍事同盟がガレマール帝国の軍勢を退けると、イシュガルドにおける竜詩戦争の終結や、アラミゴの帝国支配下からの解放といった好材料が続き、現在は平穏を取り戻している。"
58,第七霊災
59,第七霊災
60," エオルゼアにおける歴史は、衰亡の時代「霊災」と、繁栄の時代「星暦」の繰り返しで刻まれてきた。
 特徴的なのは、各霊災が属性を象徴していた点である。「風の災厄」第一霊災に続き、数年に及ぶ雷雨が襲った「雷の災厄」第二霊災、大干ばつによる「火の災厄」第三霊災、アラグ帝国を壊滅させた大地震たる「土の災厄」第四霊災、海さえ凍りつかせた「氷の災厄」第五霊災、大洪水が全土を呑み込んだ「水の災厄」第六霊災……。そして、この後にエオルゼアを襲ったのが「星の災厄」とも称される第七霊災である。
 第七霊災は、ガレマール帝国の将、ネール・ヴァン・ダーナスが仕掛けた「メテオ計劃」をきっかけとして訪れた。月の衛星「ダラガブ」が落とされ、その内より出現した古の蛮神「バハムート」によって全土が焼かれたのだ。しかし、知の都シャーレアン出身の賢人ルイゾワの秘策により、大地は謎めいた再生を遂げ、エオルゼアは新生を果たした。
 そして5年後、ガイウス・ヴァン・バエサル率いる帝国軍第XIV軍団を退けたことを機に、エオルゼア都市軍事同盟の盟主らによって第七霊災の終息と、第七星暦の到来が宣言されたのだった。"
61,ゼノス
62,ゼノス・ヴェトル・ガルヴァス
63,放浪者
64," ガレマール帝国第二代皇帝ヴァリスの長子。かつては皇太子として「イェー」の階級にあったが、後にいずれの階級にも属さない放浪者として「ヴェトル」の名が与えられた。
 学術と武術の双方で天賦の才を示した彼は、それ故に孤独の中で生きてきた。将来の腹心にと、同年代の皇族や貴族の子弟がゼノスとともに教育を受けたが、誰一人として彼と同じレベルに立つ者はいなかったのだ。ゼノスは愚鈍な子どもたちを侮蔑し、尊敬に値しない大人たちを軽蔑した。ゼノスにとって唯一、心躍る体験であったのが狩りだ。野生の獣は、生きるために容赦のない怒りをぶつけてくる。その様が心地よく、力を力でねじ伏せることでのみ、充足を得たのだ。それは軍を率いる身となってからも変わらなかった。
 第XII軍団長としてドマとアラミゴ、ふたつの属州を統治していた彼は、両国の解放運動に力を貸していた光の戦士と出会う。狩られるだけの存在だったはずが生き延び、再び立ちはだかってきた彼女は、アラミゴ王宮での決戦に至り、ついに唯一無二の好敵手となった。研究の末に人工的な「超える力」を得て超越者となったゼノスは、捕らえた神龍に己を宿し、光の戦士と死闘を繰り広げる。光の戦士が勝利したものの、対等な存在、すなわち「友」と鎬を削り合えたゼノスは満足げに命を絶ったのだった。
 しかし、人工的であれ「超える力」を得ていたことが運命を変えた。その魂は散ることなく、別人の肉体に宿ってしまったのだ。アシエンに代表される「不滅なる者」のように、ゼノスは幾度も身体を乗り換えながらガレマルドへと帰還。自らの遺体を利用していたアシエン・エリディブスを退けて完全なる復活を遂げた。
 その際に、父ヴァリス帝をも殺害。戦略的に「暁の血盟」の殲滅を狙ったヴァリスに対し、いわば獲物を横取りするなという私怨から凶刃を向けたようだ。一度満ち足りた死を迎えてしまったゼノスにとって、友と再び至上の時間を過ごすこと、前回以上の戦いを繰り広げることだけが生きる意味となっていた。
 そんな男に目をつけたのが、アシエン・ファダニエルだった。彼は星の歴史をゼノスに教え、終末の再来を目指さんと「テロフォロイ」を結成する。各地で混乱を巻き起こしつつ地脈からエーテルを吸い上げ、バブイルの塔によって月に封じられたゾディアークを引きずり出そうとしたのだ。最終的にファダニエルの目的は果たされたものの、ゼノスは終ぞ光の戦士の執着を己に向けさせることができなかった。彼は文字どおり放浪者となり、表舞台から姿を消した。
 そこで何を思い、考えたのかは定かではない。ただ、常に最高の一戦だけを求め続けた彼は、ついにひとつの答えに至る。それを告げるため龍となり、星を飛び越え、光を抜いて、友と信じた者のもとへ駆けつけたのだ。
 ゼノスの骸は天の果て、二度とは届かない場所に打ち捨てられている。彼がどのように死を迎えたのか、その人生がいかなるものであったのかは、光の戦士が記憶するばかりである。"
65,ファダニエル
66,ファダニエル
67,アシエン
68," 転生組のアシエンのひとり。光の戦士たちの前に姿を現した際には、アサヒ・サス・ブルトゥスの肉体を用いていた。
 ほかのアシエンと同様、ファダニエルというのも古代の十四人委員会に存在した座の名前である。一度目の「終末の災厄」のころ、その座には「ヘルメス」という男が就いていた。彼は創造生物の実験施設であるエルピスの所長を務めてきた人物で、天文の分野に通じた飛行生物創造の第一人者でもあった。
 当時の人の価値観に疑問を抱いた彼は「メーティオン」を創造し、彼方の星々に命の意味を問いかけた。残念ながらその答えが返ってくる前にメーティオンは消滅……と記録されているが、真相は異なる。メーティオンは星々から、生とは絶望であり、終わりこそが安らぎであるという答えを持ち帰っていたのだ。過去へ渡っていた光の戦士の証言からも、彼女が終末を引き起こすであろうことは明白だった。しかしヘルメスはメーティオンを逃がしたばかりか、自らを含め未来を知った人々の記憶を消し去ったのだ。
 未来を知るからではなく、ただこの星に生きるひとりの人として、ヘルメスは終末に抗った。ゾディアークによる天脈の補強という手法も、彼の研究から導き出されたものだという。その存在は最終的に、世界ともどもハイデリンによって分割されて終わりを迎えた。
 それから長きにわたり生と死を繰り返す中で、魂に刻まれた記憶……かつてヘルメスが強引に消し去った、終末の要因が宇宙に現存しているという真実が浮かび上がってきたのだ。
 そんな魂を引き継ぎ、原初世界に興ったアラグ帝国に生まれたのが「アモン」である。稀代の魔科学者であった彼は、繁栄によって熟れすぎた価値観、たとえば美化される死や、退屈しのぎのために技術や生命が浪費されることを嫌悪した。そこで始皇帝「ザンデ」の復活によって母国に進歩と活力を取り戻さんとしたのだ。その試みは成功したかのように思われたが、一度死を経験したザンデが「すべては無に還る」という思想に囚われていたことで、アラグ帝国は破滅への道を辿ることになる。崩壊の直前、アモンの才知を惜しんだアシエンたちが働きかけたことによって、彼は新たなファダニエルとなったのだった。
 アシエンとして授けられた知識と、浮かび上がった記憶の断片が結びついたとき、彼は終末の正体を知る。オリジナルたちが相次いで亡くなったのを機に、ファダニエルはゼノスと接触してゾディアークを手中に収めようと動き出した。その胸の内にあったのは、連綿と積み重ねられてきた人への怒りと失望。あるいはアモンの見た夢の名残、消し去れなかった忠義心だったのかもしれない。
 ゾディアークとして死に、魂さえも星海の奥深く引きずり込まれた彼は知らない。光の戦士たちが、己の生前積み上げた成果を用いて、青い鳥へと辿りついたことを。"
69,アシエン
70,アシエン
71," 数々の伝承や神話、そして歴史書の中に「天使い」、あるいは「アシエン」と呼ばれる存在についての記述が散見される。総じて「黒の法衣」をまとう姿で現れ、言葉巧みに種族や国家の対立を煽り、望みを叶える手段と称して、蛮神の召喚法を含むさまざまな邪法を授けるという……。
 それがアシエンについての通説であり、実態とも相違はない。一方で「暁の血盟」は彼らの正体とでもいうべき真実を突き止めている。
 アシエンは、ゾディアーク召喚の中核を担った組織「十四人委員会」の生き残り、あるいは転生後に再加入した者たちだ。前者を「オリジナル」、後者を「転生組」と呼び、末端の傀儡を除くと総勢13名となる。すなわちアログリフ、ミトロン、エメトセルク、パシュタロット、ファダニエル、ウルテマ、ハルマルト、ナプリアレス、イゲオルム、デュダルフォン、エメロロアルス、ラハブレア、エリディブスである。これらは座の名前、つまり役職名のようなもので、該当者が消滅すれば同質の魂を持った別人が召し上げられていた。
 その目的は世界統合によるゾディアークの復活。そして現生生命を贄として古代人を復活させることである。原初世界と鏡像世界の両側で争いの火種を蒔き、次元圧壊のきっかけを作っている。"
72,アゼムのクリスタル
73,アゼムのクリスタル
74," いにしえの時代、ゾディアーク召喚を決めた十四人委員会から離脱した者がいた。第十四の座「アゼム」を担った者である。前代アゼムであるヴェーネスとも親しかったその者は、しかしハイデリン召喚に加担するわけでもなく、最後の瞬間まで己の信念を貫いたようだ。
 世界が分割されたあと、生き延びたオリジナルのアシエンたちは、世界統合に向けて再び仲間を集めなければならなかった。十四人委員会の面々から分かたれた魂を召し上げることでそれを果たしたものの、別人として転生している以上、古き時代の記憶はない。そこでオリジナルたちが各座についての記憶を寄せ集め、クリスタルに封じたのだ。
 離脱したアゼムについては知る必要がないと判断され、クリスタルも作られなかった。しかし親友のエメトセルクには思うところがあったのだろう、密かにそれを用意して、たったひとつでその人物を物語れる術を込めていたのだ。それこそが、アゼム自身の創り上げた召喚術。困難を前にしたとき、ともに解決する仲間を喚び寄せる魔法である。
 現在、そのクリスタルは光の戦士が所有している。冒険にも、生きていくのにも困難はつきものだ。それらに立ち向かう強い決意を抱いたとき、クリスタルは輝いて応じるだろう。"
75,第一世界
76,第一世界
77," 鏡像世界のひとつ。その時間軸においておよそ100年前、世界の在り方を変える大事件が発生した。当時はアシエンが第八霊災を起こすべく暗躍し、影の王なる存在を立てて争いを引き起こしていたのだが、これを第一世界の「光の戦士たち」であるアルバート一行が討ち倒したことで問題が生じる。平和をもたらすために闇を掃うというその行いが、悲しいかな、世界を決定的に光属性に傾け「光の氾濫」を誘発させてしまったのだ。
 原初世界より渡ってきた「光の巫女」が氾濫を食い止めたときには、すでに多くの土地が呑み込まれ、エオルゼアに相当する「ノルヴラント」地域を残すのみとなっていた。
 光属性とは、霊極性とも呼ばれる静穏と停滞の力だ。氾濫に呑み込まれた土地はエーテルの巡りさえも滞った「無の大地」となった。それを免れたノルヴラントでさえも空は無尽光に覆われ、夜の闇が失われた。生き残りたちに追い打ちをかけたのは、体内エーテルが光属性に寄りすぎたことで変質した異形「罪喰い」の存在である。罪喰いに高い知能はなく、本能に従ってエーテルを喰らい、仲間を増やす。唯一「大罪喰い」と呼称された上位個体を退けることができれば一帯の光属性が抑えられ、人の生存圏を確保することができた。
 世界を渡った「暁の血盟」の活躍によって、現在はノルヴラント全域から過剰な光が掃われている。第一世界の人々は敬意をこめ、彼らを「闇の戦士」と呼ぶのだった。"
78,アルフィノ
79,アルフィノ・ルヴェユール
80,"暁の血盟
賢者"
81," シャーレアンの名門ルヴェユール家の御曹司。弱冠11歳にして、双子の妹であるアリゼーとともに、シャーレアン魔法大学への入学を許された天才である。その後、魔法学やエーテル学など複数の分野で修士号を取得。卒業後、成人年齢である16歳になったのを機に、父の反対を押し切る形でエオルゼアへと渡航した。すべては、祖父ルイゾワの遺志を継ぐため。そのために「暁の血盟」に加わり、クリスタルブレイブを創設したが、彼の増長はウルダハの権力者たちに利用され挫折を経験することになる。
 失意の中、アルフィノは光の戦士やタタルとともに、雪深きイシュガルドへ向かう。そこでは教皇トールダンや神殿騎士団総長アイメリク、竜騎士エスティニアン、竜に与する「異端」としてシヴァを己の身に降ろしたイゼルなどが、それぞれの立場から千年間続く竜詩戦争を終結へと導かんとしていた。彼らとの出会いや別れ、数々の戦いを経て、アルフィノは世界と自身の目的を見つめ直していく。そして戦争終結のとき、彼は光の戦士に「友を救える男になりたい」との決意を語り、邪竜に乗っ取られたエスティニアンを決死の思いで救い出したのだった。
 続く解放戦争への協力も、アルフィノにとってかけがえのない経験の連続となる。祖国解放を目指してラールガーズリーチに集ったアラミゴ解放軍が、ガレマール帝国軍第XII軍団長ゼノスによって蹂躙される様を目の当たりにした。苦手とする幽霊の彷徨う海域を越え、辿りついたドマでは、ヒエンのもとに集う烈士たちとともに駆けた。彼らやエオルゼア諸国と一致団結して、ついにゼノスが拠点とするアラミゴ王城へと攻め上った。かくして平和を取り戻したその地で、光の戦士や年の近い友人アレンヴァルドと、隠された財宝を巡る冒険に胸躍らせた……。
 帝国と死闘を繰り広げた一方、かの国にも属州政策に反対する民衆派と呼ばれる人々がいることを知ったアルフィノは、そのうちのひとりであるマキシマと帝都を目指す。道中で襲撃を受けて断念を余儀なくされたものの、帝国軍を離れて暗躍するガイウスと絆を結べたことは彼自身と世界に新たな変化をもたらしたといえるだろう。
 第一世界に渡ってからも、アルフィノは世界と向き合い、かつて未熟だった己が掲げた「世界の救済」とはいかなるものか学び続けた。同じく人々の救済を打ち出していたユールモアの長ヴァウスリーと真っ向から対峙。古き時代を取り戻さんとするエメトセルクには、世界を譲り渡せはしないのだと誰より先に決意を示した。もはや彼の目指す救済は言葉ばかりのものではなく、あまたの経験によって実体を得ていたのだ。
 その理念ある行動が結実し、原初世界ではテロフォロイという脅威を前に「グランドカンパニー・エオルゼア」が結成される。それはかつてクリスタルブレイブが成し得なかった、国という壁を超えて問題解決に挑む組織だった。
 そんな長き歩みを経て、久々に再会した父フルシュノは彼に問う。問題解決のために戦いを選ぶこと、それは本当に賢明な道なのかと。その言葉に深く悩んだアルフィノだったが、友に後押しされ、仲間たちと困難に挑み、ともに成長してきたアリゼーと語らう中で答えを得たようだ。国も世界も超えて出会ってきたかけがえのない人々のため、彼らとともに、戦い続ける……ときに声を張り、ときに武器を抜きながら。
 終末を退けた今も、アルフィノは誰かのために奔走している。愛すべき世界を得た彼は、諦めることなく一歩ずつ、より良き明日に向かって進み続けていくことだろう。"
82,アリゼー
83,アリゼー・ルヴェユール
84,"暁の血盟
赤魔道士"
85," アルフィノの双子の妹。アルフィノと同様、弱冠11歳でシャーレアン魔法大学への入学を果たす。はたから見れば彼女も神童だが、何でもそつなくこなす兄に若干の負い目があったのは事実。そんな自分を兄と分け隔てなく可愛がってくれた祖父ルイゾワを慕っており、祖父は彼女の一番の誇りでもあった。
 ルイゾワは彼女の大学入学を見届けたのち、第七霊災の危機から人々を救うため、エオルゼアへと向かうことを決断した。戦乱に身を投じることを忌避する息子フルシュノに対し、「助けられる人が目の前にいるときに、我が身を案じて助けぬとは怠惰というもの。それでは到底、人として進歩的とは言えぬ」と語っていたという。そうしてシャーレアン本国をあとにしたルイゾワは、第七霊災の最中に消息を絶ち、二度と故郷に帰ってくることはなかった。
 アリゼーは悲しみ、怒った。祖父の最期に何があったのか、そして彼が命を賭してまで護ろうとしたエオルゼアとはいかなる場所なのだろうか。それを自ら確かめるべく、彼女はアルフィノとともにエオルゼアを訪問し……大いに落胆した。どこの国も問題だらけで、解決に向けて前進しているようにも思えなかったからである。アリゼーは、それらの問題と積極的に関わろうとするアルフィノや「暁の血盟」ともしばし距離を置き、独自に第七霊災の真実を調査するとともに、エオルゼアを見定めようとしていたようだ。
 その中で、各地の蛮神を討伐していたアルバートら「闇の戦士」と、アシエンが密会しているのを目撃。彼らの企みを阻止するため……そしてなぜか密会に同席していたウリエンジェの思惑を確かめるためにも、アリゼーは光の戦士たちに合流する。
 以来、「暁の血盟」の前線で戦い続けてきた彼女。祖父から入学祝いに贈られた魔道書を細剣に持ち替えて、解放戦争や、第一世界での戦いを乗り越えてきた。ときに大きな怪我を負い、ときに親しい者の死に直面しながらも、彼女は全身全霊で立ち上がる。大好きな祖父を奪った世界というものが、いつしか自身にとってもかけがえのないものになっていたのだ。
 中でも、第一世界で「旅立ちの宿」に滞在し、罪喰いになりかけた少年ハルリクと出会ったのは印象深い出来事だっただろう。彼を治療するためにベーク=ラグらの協力を得て確立した術は、原初世界において、不治とされてきた蛮神のテンパードを治療する術へと発展した。それによってタイタンのテンパードにされてしまったコボルド族のガ・ブを救えたのみならず、のちにテロフォロイによって蛮神「アニマ」のテンパードとされた多くの人々が自我を取り戻せたのだ。
 終末の災厄を巡る戦いでも、圧倒的な困難に対し、彼女は果敢に挑み続けた。敵を切り伏せるのみならず、困窮した者がいれば手を差し伸べ、声を掛け、励ましてきた。かつてルイゾワがフルシュノに告げた言葉に倣うとすれば、アリゼーは紛れもなく、敬愛する祖父と同じ「進歩的な」人物だといえるだろう。
 彼女の視線の先には、ともに幾多の試練を乗り越えてきた、光の戦士の姿がある。その背に追いつき、いつかは並び立ちたいという目標を胸に、今日も力いっぱい走っていくのだ。"
86,ガレマール帝国
87,ガレマール帝国
88," アルデナード小大陸が属す西州を除き、世界最大の大陸「三大州」をほぼ掌中に収めていた帝政国家。半世紀前まで北州イルサバード大陸の辺境国に過ぎなかったが、技術革新と卓越した軍才を有す将ソル・ガルヴァスの出現により、一躍、ハイデリンに覇を唱える強国へと躍進を遂げた。
 その魔導技術の水準は他国の追随を許さず、強力な飛空戦艦を擁する軍事力を背景に、次々と周辺国を併呑していった。北州を統一した帝国は、勢いそのままに東州オサード小大陸に進出、ドマなど東州諸国をも圧倒し、征服した国を属州としつつ急速に版図を拡大。弾圧と懐柔、硬軟合わせた政策により、被征服民を教化して取り込んでいった。
 かくして唯一の弱点、すなわち主要民族ガレアンの人口の少なさを補った帝国は、大陸統一という悲願を達成すべく西州アルデナード小大陸攻略に着手。第六星暦1557年、エオルゼア六大都市の一角、都市国家アラミゴを制圧した。
 順調に世界の覇者として上り詰めていく帝国。そこに影を落としたのは、ソル帝の崩御と、それに前後して起こった熾烈な後継者争いだった。加えてガイウス率いる第XIV軍団がエオルゼア都市軍事同盟に敗退、外政においても暗雲が立ち込めることとなる。
 急速に団結を固めたエオルゼア諸国、その補佐をする「暁の血盟」の存在もあり、東ではドマ、西ではアラミゴが相次いで独立。後継者争いを制した次代皇帝ヴァリスも、皇室から離反したゼノスに討ち取られる結末となった。
 ゼノスはさらに、アシエン・ファダニエルと結託し、帝都ガレマルドにてヴァリスの身体を核として蛮神「アニマ」を召喚。内戦の混乱下にあった帝都は、敵味方なくほとんどの住民がテンパードにされるという形で完全に沈黙した。
 アニマとテロフォロイが排除された現在も、国としての機能は復旧するに至っていない。行政機能を維持できている属州の指導者たちも様子見の姿勢を貫いており、今後の動向が世界中から注目されている。"
89,魔導技術
90,魔導技術
91," ガレマール帝国で用いられている先進技術の総称。青燐水を動力源に利用することで発展を遂げたもので、効率のいい暖房やラジオなどの民生品から、空を飛ぶ飛空戦艦に至るまで、様々な品が実用化されてきた。
 その歴史を辿ってみよう。先天的に魔法の扱いが不得手であるガレアン人は、古くは他所から魔法兵を雇い入れるなどの方法で戦力や労働力を補ってきた。しかし第六星暦1513年、弱冠24歳で軍団長に就任した「ソル・ガルヴァス」という名の若者が、当時、実用化されたばかりの「青燐機関」と呼ばれる発動機に着目。軍事予算の大半を割いて、青燐機関を動力源とする移動プラットフォームに火砲を搭載した、自走砲を開発させたのだ。
 彼はこの奇妙な兵器を、「魔法の代替となる力」として「魔導兵器」と命名。以後、彼は魔導兵器を利用した戦術を研究しつつ、その結果を反映させた軍制の改革に着手、ガレマール共和国軍の機械化を推進したのであった。"
92,青燐水
93,青燐水
94," イルサバード大陸の中央山脈南部、温暖で肥沃な土地を巡って、コルヴォ人と長く争い続けてきたガレアン人。やがて敗北した彼らが追いやられた大陸北部は、冬季になると厳しい寒さに襲われる寒冷地であり、とくに北に面した海は一年の大半が氷に覆われるという有様で、海洋資源も活かし辛い環境であった。限定的な条件下での農業、漁業、畜産では、とてもではないが大人数を養うことはできない。彼らの人口は伸び悩み、長きにわたり、少数民族の立場に甘んじることとなった。
 寒さの厳しい土地に封じ込められたガレアン族にとって、唯一の救いは、領内に「青燐泉」があったことだろう。ここから湧き出す青味を帯びた液体は、油のようによく燃えるため燃料となる。「青燐水」と呼ばれるこの天然資源がなければ、暖を取ることもできず越冬は難しかったはずだ。
 もっとも、青燐機関を動かすという形で青燐水がその真価を発揮するまでには、長い長い歳月が必要だったようだ。"
95,バルデシオン委員会
96,バルデシオン委員会
97," シャーレアンの名門、バルデシオン家の当主ガラフが創設した調査研究機関。蛮神を始めとする「世界の脅威」に対抗するため、遺物や遺構、魔法などを中心に、各地の未解明な事象を研究している。
 その役割上、シャーレアンの組織が閉鎖的になりがちなのに反して、諸外国にも協力者を置いている。そうして集積した数々の専門知識を活かし、脅威となりかねない事案について見解を述べる諮問機関としても名高い。聖コイナク財団がクリスタルタワーの調査を実施するにあたり、バルデシオン委員会所属のグ・ラハ・ティアが派遣されたのも、まさしくその例であったと言えよう。ほかにも、エオルゼアで蛮神対策に乗り出した救世詩盟の後援を行うなど、世界から脅威を退けるために精力的な活動を続けていた。
 本拠地はシャーレアン本島より南に位置するバル島。ガラフは仲間たちとの冒険で得た資金を元手に無人島だったその島を買い取り、大規模な魔法学の研究施設を設立するなど、独自の環境を整えた。しかし、アルテマ級の魔法攻撃を受けたことで、所属員もろともバル島が消失。バルデシオン委員会は事実上壊滅することとなる。
 現在は、オールド・シャーレアンに存在する「バルデシオン分館」を拠点とし、ガラフの孫にして臨時代表を務めるクルルが中心となって、再建への道を歩み始めている。"
98,サンクレッド
99,サンクレッド・ウォータース
100,"暁の血盟
ガンブレイカー"
101," 「暁の血盟」に所属するヒューラン族の男性。幼少期はリムサ・ロミンサの裏通りでコソ泥まがいの生活を送っていた。エーテル学の研究のために海都を訪れていた賢人ルイゾワと出会い、その私物を盗もうと接近したものの、見事に返り討ちに。官憲に突き出されることを予期したが、ルイゾワは訴えるどころか、天性の身軽さという才を人のために使うように諭し、シャーレアンに連れ帰ったのだった。かくして北洋諸島に渡った後、当地で専門的な訓練を受けた彼は、サバイバル術と諜報活動のスペシャリストとして賢人位を取得したのである。
 第七霊災を前にして、ルイゾワが結成した救世詩盟に参加。エオルゼア諸国の中枢に近づき、急速に国力を増しているガレマール帝国への対策を促すという密命を遂行した。その際に訪れたウルダハで、アシリアという少女が事故によって父を亡くす瞬間を目撃する。奇しくも彼女の父は帝国軍の二重スパイであったことが判明したため、サンクレッドは彼女と交流を深め、その周囲に目を光らせるようになったのだった。
 ほどなくして彼はアシリアに、少しでも平和に暮らしていけるようにと偽名をつける。ミンフィリア……やがて「暁の血盟」の盟主として刻まれることとなる名前だった。
 サンクレッドは「暁」でもその手腕を振るい、活動を支えた。しかし、砂蠍衆テレジ・アデレジらの陰謀によって一同は離散に追い込まれる。逃走の際に地脈をさまよったことで、サンクレッドの身体はエーテルの制御がままならなくなり、ほとんど魔法が使えなくなってしまった。しかしそれよりも彼を苦しめたのは、ミンフィリアが消息を絶っていたことである。
 ふたりが再会を果たしたのは、「闇の戦士」を名乗るアルバート一味と対決した折だった。ハイデリンの使徒となっていたミンフィリアは、「光の氾濫」の危機に瀕したアルバートたちの故郷「第一世界」を救いにいくという。幼いころから見守り続けた、血は繋がらずとも妹のように想っていた彼女の決意を、サンクレッドは静かに受け止めたのだった。
 いくつかの戦いを越えたあと、運命はサンクレッドを第一世界へと喚び寄せる。そこで目にしたのは「光の巫女ミンフィリア」にかろうじて護られた大地と、その名や魂を継いで翻弄される少女たちだった。サンクレッドは当代のミンフィリアをユールモアの監獄棟から連れ出し、生きる術、戦う術を教え込む。やがて「暁」の仲間たちも合流、第一世界を救うべく奔走する中で、彼はただミンフィリアを護り続けた。どれほどの強敵が相手でも屈しなかった。天涯孤独の身で家族を知らずとも、ミンフィリアは確かに妹で、娘だったのだ。
 多くの葛藤と決断の末、サンクレッドは彼女に新たな名を贈る。リーン……祝福を意味する名前だった。
 原初世界に帰還してからは、妹の愛した世界を護るべく、陰に日向に活動を続けている。何かと行動をともにしてきたウリエンジェとは、すっかり良いコンビになっているようだ。
 今日もどこかで誰かのために戦いながら、ふと顔を上げて笑みを浮かべる。どこの空の下にいても、お前の幸せを願ってる……かつて告げた言葉のとおりに。"
102,ゾディアーク
103,ゾディアーク
104,蛮神
105," ハイデリンと同じく、古き時代に創られた蛮神。
 その性質を述べるにあたっては、まず光と闇の力を定義すべきだろう。それは火、風、雷、水、氷、土の六大元素とは異なるものである。
 鎮静と停滞を司る力を、いにしえの人々はまっさらな白きものとみなして「光」と呼んだ。現代の原初世界においては「霊極性」とも定義される、凪と平穏をもたらす力である。
 一方、活発と発展を司る力を、多くの色が重なった黒きものとみなして「闇」と呼んだ。現代の原初世界においては「星極性」とも定義される、万物万象を活性化させる力である。
 ゾディアークは闇の化身として創造され、その枷となる役割を負ったハイデリンは光の化身として創造された。始まりはただそれだけのことであり、光と闇は善悪にあらず、ともに必要不可欠な表裏一体の力に過ぎなかったのだ。
 では、なぜ強大な闇の化身を創り出す必要があったのだろうか。その要因は、およそ一万二千年前にこの星を襲った「終末の災厄」という大災害にある。被害を食い止めるためには「天脈」と呼ばれる大きなエーテルの流れを補強しなければならない。そこで活性の、すなわち闇の力を有する神が設計されたというわけである。
 ゾディアークの召喚にあたっては、災厄から生き延びた者の約半数が糧として命を捧げ、人類の代表者たる「十四人委員会」が術を行使した。この際、核となったのは同委員会の調停者エリディブスだった。彼はゾディアークとなったものの、のちに仲間たちを案じて分身を生み出し、エリディブスとしての活動を再開させている。ゾディアークの糧となった者についても、肉体はエーテルに還元され消費された一方で、魂はかの神の内に保存されていたらしい。天脈を補強して災厄を退けたのち、さらに贄を捧げて荒廃した星の再生を行ったが、最終的には新たに芽生えた生命と引き換えに神の内に眠る人々を復活させる計画だったようだ。
 それに待ったをかけたのが、ヴェーネスだった。星の未来は新たな世代に任せるべきであると主張した彼女は、支持者とともに光の蛮神ハイデリンを創り、ゾディアークと死闘を繰り広げる。結果はハイデリンの辛勝。鎮めるための力、すなわち光の力による一撃が、世界ごとゾディアークを十四に分断したのだった。
 彼女は月を創り出し、分かたれたゾディアークを封じた。以来、かの神を復活させんと暗躍するアシエン……かつての十四人委員会と、ハイデリンの攻防が続いてきたのである。
 しかし、アシエン・ファダニエルの独断により、近年新たな動きが生じる。エリディブスたちの消滅を確認した彼は、与えられた使命に反し、ゾディアークを消滅させんと画策したのだ。まずガレマルドの「バブイルの塔」に蛮神「アニマ」を据えると、その力を用いて世界中からエーテルを集積。これを撃ち込むことで月の封印機構に亀裂を入れた。続いて月に渡り、機構を破壊しきってゾディアークと融合。それを押し留めんとした光の戦士と戦闘になるも、その勝敗によって彼の計画達成が揺らぐことはない。己の心核を躊躇なく握り潰し、世界を救うために創られた古き神は、消滅と相成ったのだった。
 原初世界の本体が消え去ったことで、鏡像世界の月に封じられていた断片も消滅したと考えられている。その内に眠っていた古き人々の魂も、星海へと流れ、生命の巡りに還ったようだ。"
106,リーン
107,リーン・ウォータース
108,光の巫女
109," 第一世界に暮らす少女。「闇の戦士」の一行として罪喰いと戦い、ノルヴラントに夜の闇を取り戻した。
 彼女の境遇は、第一世界における「光の巫女ミンフィリア」の存在なくして語ることができない。およそ100年前、「光の氾濫」に呑まれかけたナバスアレンから逃げてきた生存者たちが、迫りくる光の波を押し留めようとする女性の姿を見たと証言した。うち数名は、「ミンフィリア!」と何者かが叫ぶ声も聞こえたような気がするとも語っている。かくしてそれはノルヴラントの救済者の名となり、伝説と化したのだった。
 それから15年の後、崩壊を迎えたフッブート王国にて、罪喰い化に耐性がある少女が見つかる。伝説の光の巫女と同じ外見の特徴を有していた彼女は「ミンフィリア」の名で呼ばれるようになり、罪喰いに抗う人類の旗印となっていった。やがて彼女は戦いの中で斃れるものの、数年後にはまた同じ特徴を有した少女が発見されたのだった。
 この不可思議な現象は、本物のミンフィリア――第一世界を救うために原初世界から旅立った光の巫女であり、「暁の血盟」の盟主でもある人物――の意思によって引き起こされていた。彼女はノルヴラントを救う鍵となる罪喰い化への耐性、すなわち「光の加護」の存在を示し続けるために、適性のある少女たちの身体に魂を宿らせていたのだ。彼女の魂を受け入れた少女たちは光の巫女に通ずる容姿となり、加護が引き継がれていることを人々に証明したのだった。
 リーンもまた、ミンフィリアの魂を宿していた少女のひとりである。希望の象徴であったはずのその存在は、ヴァウスリーがユールモアの元首になったことで一変してしまった。彼は将軍ランジートを派遣してまだ5歳にもなっていなかった彼女を見つけ出すと監獄棟に幽閉、何の力も育ませず飼い殺しにしようとした。それを救い出したのが、水晶公によって第一世界に招かれたサンクレッドだったのである。
 それからの日々は、少女にとって何もかも新鮮だった。生き方や戦い方をサンクレッドから学び、成長していく。ふたりはまさしく親子のようだった。しかしサンクレッドが身近になっていくほどに、少女は苦悩するようになる。彼が真に救いたいのは本物のミンフィリアであり、この身体を彼女の魂に譲り渡すことこそが幸せなのではないか――そんな想いが渦巻き、「闇の戦士」と合流してからも晴れることはなかったようだ。
 やがて訪れる決断のとき。行方の知れない大罪喰いを見つけ出すためには、より完璧な光の巫女の力が必要だった。不器用な喧嘩の果てに、少女は生きたいという望みを胸に立ち上がり、サンクレッドは立ちはだかるランジートを決死の覚悟で迎え撃ってそれを送り出す。少女は本物のミンフィリアからすべての力を譲り受けて、真なる光の巫女となった。多くの「ミンフィリアたち」が繋いできた灯火で、今度こそノルヴラントを救うために。
 そうして己の人生を歩み出し、本来の髪と瞳の色になって帰還した彼女に、サンクレッドは「リーン」という新たな名を贈ったのだった。
 ノルヴラントの大罪喰いが討ち果たされた今、彼女は第一世界の再生を目指して奔走している。ふと見上げた星空や青空に、あの旅路を思い出して励まされながら。その向こうに、父の想いを感じ取りながら。"
110,ガーロンド・アイアンワークス
111,ガーロンド・アイアンワークス
112," 「ガーロンド・アイアンワークス」は、第六星暦1562年、亡命帝国人のシド・ガーロンドが、エオルゼアに魔導技術を広めるため設立した会社組織である。彼と意志を同じくする亡命帝国人や、エオルゼアにて知り合った若手技師たちが次々と参加し、飛空艇や青燐機関車、さらには子ども向けの模型に至るまで、さまざまな製品を世に出している。
 特に飛空艇分野においては他の追随を許さず、亡命の翌年には、素材や設計を工夫することでエオルゼアでも製造可能な「軟式飛空艇」を開発。ハイウィンド飛空社と提携することで量産化を行い、空路を拓くことに大きく貢献した。
 なお、会長を務めるのは創業者であるシド自身であるが、第七霊災後の5年間、行方知れずとなっていたため、暫定措置としてジェシーが会長代行を務めてきた。ただし、シドは帰還後も何かにつけて調査や任務に赴いてしまうため、今なおジェシーが経営の最前線で戦い続けているという。最近では彼女の独断で大型新人こと元帝国軍幕僚長のネロを採用した。
 最高峰の技術力を有し、「技術は自由のために」というモットーのもと精力的に活動を続ける彼らは、幾度となく光の戦士たちの活動に突破口を開いてくれた頼もしい存在である。"
113,ソウル・サイフォン
114,ソウル・サイフォン
115," その昔、水晶公はひとつの大きな決断をした。ノルヴラントを救うためには、大罪喰いを討つ実力があり「光の加護」によって罪喰い化から護られた人物が必要だ。たったひとりだけ思い当たるその英雄を原初世界から喚び寄せるため、彼はクリスタルタワーに備えられた次元跳躍機能を転用し、長い時間をかけて時空を超える召喚術を作り上げた。
 しかし、多くの時間と努力を重ねてなおその召喚は難しく、対象に近しい「暁」の面々を魂だけという不完全な形で喚び寄せてしまったのである。エーテルを用いて仮初の身体らしきものを構築するも、本物の肉体は原初世界で昏睡状態、やがては魂と肉体の繋がりが消滅して死に至るという危うい状態だった。
 となれば当然、彼らの魂を返さなければならない。テレポなどの転移魔法においては「これは自分の物である」という認識によって物体を自己の延長線上に置くことで衣服なども一緒に転移させている。同様に、魂を何らかの入れ物に封じ、唯一正しく召喚された光の戦士が携行することで元の世界へ帰還させようという計画が持ち上がった。そのために製作された入れ物が、この「ソウル・サイフォン」である。
 魂を収める仕組みについては、かつてアシエンの魂を捕らえるためにムーンブリダが作り出した「白聖石」の仕様が用いられている。ここに魂を封じる際には、本来ならば「紙とそこに書かれた文字」のように離れることのない魂と記憶の結びつきが弱くなる。そこでソウル・サイフォンにはアラグの皇族が用いた記憶継承術も組み込まれ、記憶の欠落を防いでいるのだ。
 それを実現するにあたって、別の用途も生じている。記憶継承術がアラグ皇族の血を媒介としたものであったことから、水晶公は自らの血を結晶化させて素材とした。皇血はクリスタルタワーを制御するための鍵でもある。結果的に、ソウル・サイフォンを所持する者がクリスタルタワーを操作できるようになったのである。"
116,エメトセルク
117,エメトセルク
118,アシエン
119," ハーデスという偉大な魔道士であり、ソルという偉大な皇帝でもあった。
 世界を脅かす敵でありながら、傍らに立った日もあった。
 どこまでも旧き人であり、つまるところは、連なり続ける人のひとりだ。
 ――彼が生きていたことを、今もこうして、覚えている。"
120,"暁の血盟
ピクトマンサー"
121,シャーレアン魔法大学
122,シャーレアン魔法大学
123," 知の都とも称されるシャーレアンには、多くの私塾や学術機関が存在するが、その中でも最高学府とされるのがシャーレアン魔法大学である。開校は、第六星暦432年のこと。その1000年を超える歴史を通じて、多くの賢人たちを輩出し、各分野の発展に寄与してきた。
 「魔法大学」という校名からもわかるとおり、開校直後は魔法学や神秘学、占星学などを中心に教えていたが、魔法の基礎理論を支えるエーテル学を派生させたことを皮切りに、さまざまな学部を加えてきた。その範囲は幅広く、魔法科学のみに留まらない。天文学や生物学などの自然科学、経済学や法学などの社会科学、哲学や歴史学などの人文科学、数学や統計学などの形式科学、錬金学や医学などの応用科学へと、とめどなく広がっていったのである。ただし、教授が数名の学生を相手にするような私塾同然の学部も存在しており、学部といっても規模はさまざまだ。しかも、エーテル学と魔法学に医学を統合させた「賢学」のように、複数の学問を横断的に学ぶことで初めて成立する複合学問も創出しているため、在学中に学部間を転籍する者も少なくないという。
 なお、大撤収以降は絞られていた異国からの留学生の受け入れに関しても、終末の収束を機に全面開放へ向けて動き出しており、世界各地から若者が集い始めている。"
124,第八霊災
125,第八霊災
126," 原初世界では、「霊災」と呼ばれる大災害が7回発生している。第一霊災は風の災厄、続いて雷の災厄、火の災厄、土の災厄、氷の災厄、水の災厄ときて、第七霊災は星極性……すなわち闇の災厄だった。
 それらは自然現象や争いに端を発したもののようにも思えるが、その実、「鏡像世界」における属性の乱れなしには発生し得ない。鏡像世界でひとつの属性の力が極端に高まった場合、水が低いところに流れるように、原初世界へその力が流れ込む。それが火属性であれば日照りを引き起こし、氷属性ならば寒冷化が進むといったように異変が起きやすくなり、やがて発生する大災害が両世界を隔てる壁を打ち砕く。瞬間、鏡像世界を構成していたすべてのエーテルが原初世界になだれこみ、大災害をさらに増大させて霊災と成すのだ。
 では、「第八霊災」とはいかなるものか。それは現行の歴史において発生していない、光の災厄である。発生の根本的な要因は、第一世界が光の力に偏りすぎてしまったことだという。必然、原初世界でも光の力が高まりを見せていたところに、同質の効果を持つ兵器「黒薔薇」がガレマール帝国軍によって戦場に投下された。黒薔薇は属性の偏りを受けて予想を遥かに上回る被害をもたらした。広域にわたってあらゆる生命が体内エーテルの循環不全を引き起こして死滅、地脈の流れも停滞し、それを原因とする環境変化が波及していった。帝国との戦地に集っていた各国盟主、そして「暁の血盟」の面々の命も失われたのである。
 そうして始まったのは、終わりなき戦争の時代。秩序は失われ、暴力がはびこり、誰もが生きるための闘争に駆り出された。もはや文化も夢も潰えかけていたとき、シドらガーロンド・アイアンワークスの面々が中心となって、ある計画が持ち上がる。これまでの戦いで得た知見をもとに、大胆にも「第八霊災が起きなかった歴史」を成立させようというのだ。
 彼らとその子孫、そして数多の協力者たちは、長年にわたって命懸けで準備を進めていった。第八霊災の要因を断ち、死した英雄たちに未来を届けるために。苦心の末、再起動したクリスタルタワーがついに第一世界へと送り込まれることとなる。
 紆余曲折を経て、第一世界が闇を取り戻したことで、第八霊災は未然に防がれた。そのためにどれだけの心血が注がれたのか、誰がどういった想いで携わったのか、今を生きる者には観測も記録もできない。また、霊災の起きた世界が、歴史の不成立によって霧散してしまったのか、どこかで続いているのかもわからない。
 光の戦士が今日も生き続けていること、それだけが彼らの想いの証左である。"
127,ヴォイド
128,ヴォイド
129," 鏡像世界のひとつ。またの名を第十三世界。
 ほかの鏡像世界と同様に原初世界と似た環境を有し、独自の歴史を紡いできたが、アシエンの介入によって悲劇が起こる。アシエンは世界統合を目的に、次元の壁を打ち破るべく、活性の闇の力を世界規模で増大させようと画策。その一環として、蛮神召喚の秘術を人々に広め、戦乱を誘発させたのである。この事態に対し、異能を持つ英雄たちが立ち上がり、蛮神を「メモリア」なる結晶に封じる術を以て対抗。さらにメモリアから力を引き出して戦うことで必死に戦乱を鎮めようとしたのだが、彼ら「メモリア使い」の中から力に溺れる者が現れたことで大勢が決する。英雄たちは、ひとりまたひとりと斃れ、やがて第十三世界の属性バランスは崩壊。「闇の氾濫」が発生してしまったのだ。
 さらに悲劇的だったのは、アシエンの世界統合の目論見が完遂されなかった点にある。結局、次元の壁の破壊に至らず、行き場を失った闇の力が第十三世界に満ち溢れ、そこに生きるすべての者を異形の存在「妖異」へと変異させてしまったのだ。かくして第十三世界は、死すら存在しない「ヴォイド」へと変じてしまったのである。
 なお、ヴォイドは「闇の氾濫」によって世界を隔てる壁が脆くなっていることから、数ある鏡像世界の中でも特に原初世界と繋がりやすい。そのため自然発生したクラックや、人為的に広げたゲートによって行き来することが比較的に容易であり、妖異の侵入や、魔法的な契約を強いた上での妖異召喚が後を絶たない。"
130,ゼロ
131,ゼロ
132,メモリア使い
133," 命の巡りが絶えたヴォイドにおいて、世界をあるべき姿に戻すため、戦い続ける者。
 メモリア使いであった母が、戦いの過程で強い闇を浴びてしまったことで、胎内にいた彼女は半妖として生を受けた。そのため、多くの妖異と同様に、老いることなく最盛期のまま成長が止まっている。
 かつてメモリア戦争を終結に導くため、独り各地を旅していたが、徒党を組んだ闇のメモリア使いたちの前に敗北。それから間もなく、「闇の氾濫」が起こったことで次元の狭間に閉じ込められてしまう。偶然に生じた亀裂から故郷に戻ったときには、世界は妖異のみが生きるヴォイドと化してしまっていた。以来、無力さを抱えたまま、悠久の時をあてもなく孤独にさまようことに。
 自らが生み出した領域を拠点としてはいるものの、エーテルを消耗した際に稀に訪れる程度。そこには、終わることのない闘争の連続に疲れた妖異や、弱肉強食の主従関係に疲れた妖異などが勝手に居着いているが、拒むこともなく好きにさせている。
 光の戦士と戦うための力を求めたゼノスによって強制的に契約を結ばされ、「アヴァター」として原初世界に召喚されるが、天の果てでゼノスが斃れた後は、ヴォイドに戻っていた。月竜アジュダヤを探しに世界を渡ってきた光の戦士一行と出会い、「ゼロ」という名を与えられ、ゴルベーザ一味との戦いに巻き込まれていく。その過程で、ヴォイドを元の光に満ちた世界に戻す道がまだ残されていることを知ると、徐々に心境に変化が現れ、光の戦士たちと行動をともにすることに。
 ガレマルドのユルスをはじめ、多くの人間たちとの出会いを通じて、かつて独りで戦っていたときには遂に得られなかった「友」という絆を手に入れていく。
 やがて、次元の壁を砕かんとする大妖異ゼロムスの闇に対抗するため第一世界へと渡り、そこで光の巫女リーンと出会う。彼女の言葉に気づきを得て、半妖である己にだけできることを考えた結果、闇なるその身に光の力を取り込む。
 ヴォイドへと帰還し、月の最奥部でゴルベーザと対峙。彼もまた世界を取り戻す志を持っていたが、親友を喪った悲しみをアシエンに利用され、「闇の氾濫」を引き起こしてしまった。そんなゴルベーザに対してゼロは、己の身に宿したひとひらの光を以て、希望の芽がまだ残っていることを教える。続くゼロムスとの決戦のさなか、世界を救いたいというゼロの想いが、彼女自身を伝説の英雄にも似た騎士姿へと変貌させる。光と闇の両方を備えたその一撃で、ゼロムスのエーテルをメモリアへと封じることに成功。
 戦いが終わった後は、過去の過ちを悔いるゴルベーザの手を取り、ともにヴォイドに光明をもたらす起点となるべく旅立つのだった。
 魂が混じることを忌避する彼女は、他者を喰らわず、はしたエーテルを取り込むに留めることを信条としている。それゆえ、飢えで野垂れ死に、自然復活するまで漂っていることも稀ではなかった。
 長い間、舌を使っていなかったため味覚が麻痺していたのだが、原初世界で辛味の効いた食物を食べたことでふたたび感覚が活性化し、「味」に目覚めた。彼女の好みに合わせて調合されたスパイスを用いた激辛カレーは、ラザハンの新たな名物料理となっている。"
134,
135,
136," 人も獣も、そして樹木でさえ、すべての命はその存在の内側に「エーテル」と呼ばれる生命エネルギーを宿している。逆説的に、肉体からすべてのエーテルが抜け去った場合、命は消え、死の底へと転げ落ちてしまうことだろう。そうした意味において、命とエーテルはほぼ同義の存在と言える。そして命を示すエーテルは「生命力」と「魂」に大別できる。これらは生命活動に欠かすことはできず、魂が失われ肉体に生命力だけ残ればゾンビーに、生命力が失われ魂だけが残ればゴーストに変貌を遂げてしまう。
 なお、エーテル学者によれば、魂のエーテルには「記憶」が刻まれているのだという。一般に、未練など強い感情に紐づいた記憶ほど死後も残留しやすいとされており、恨みに基づいて行動する怨霊が生じる要因として語られている。
 ちなみに生物が死を迎えた際、生命力のエーテルは物質界に留まり、捕食者や大地に取り込まれほかの命を育む糧となると考えられている。一方、魂のエーテルは星海、つまりエーテル界に還元されるという。そして、星海にて記憶を洗い流して無垢なる魂となり、ふたたび新たな命として生まれるのを待つことになるのだ。"
137,グルージャジャ
138,グルージャジャ
139,"トライヨラ連王国
初代連王"
140," トライヨラ連王国の初代連王。
 なにより注目すべきは、彼がふたつの頭を有している点だろう。これはマムージャ族の中でも、茶色の鱗を持つフビゴ族と、青色の鱗を持つブネワ族の異部族婚によって生まれる特異体、通称「祝福の兄弟」の特徴なのだ。
 こうした双頭のマムージャ族は、フビゴ族の頑強な肉体とブネワ族の高い魔力を兼ね備えており、極めて高い戦闘能力を誇るため、森の領有権を争うシュバラール族との戦争の切り札として、意図的に「作られ」てきた歴史がある。しかし、異部族同士の交配には無理があり、ひとりの健康な双頭を生むためには、百人の赤子を犠牲にする必要があるなど問題も多かった。
 彼にとって幸運だったのは、戦争に身を投じる前にエオルゼアからやって来た探検家、ケテンラムと出会えたことであろう。外つ国より来たこの人物と友情を育むことで、森の外に広がる世界を知ったグルージャジャは、因習に縛られた故郷マムークから旅立つことを決意。トラル大陸各地を渡り歩くことで様々な部族の仲間と出会い、やがては「生ける天災」ことヴァリガルマンダを倒して封印するという、誰も成し遂げたことのない偉業を達成する。
 その後、仲間と共にヤクテル樹海に帰還した彼は、対立するシュバラール族とマムージャ族の両陣営を相手取り、見事に制圧。長きに亘る部族間戦争を終結に導いたのであった。
 ヴァリガルマンダの封印とヤクテル樹海の戦争終結、このふたつの出来事にまつわる噂は、またたく間に大陸全土に広まっていった。そして、部族間協力を説くグルージャジャの思想が潮流となり、やがて彼を王とする多部族国家「トライヨラ連王国」の建国へと繋がっていく。この新たな王国において、グルージャジャの豪放な右の頭は軍を率いる「武王」として、理知的な左の頭は政を導く「理王」として連なる王、すなわち「連王」として君臨。その治世下で新興国を大いに繁栄させた。
 また、戴冠から数十年の後、子を成せないと考えられていた双頭のグルージャジャの下に、血を分けた第一王子ゾラージャが誕生。この思わぬ出来事をきっかけにしたかのように、ふたりの孤児、コーナとウクラマトを次々と養子に迎え、それぞれ第二王子と第一王女として遇するなど、後継者の育成にも着手した。
 だが、これほど偉大な王であっても、老いと無縁ではいられない。自らの死による混乱を良しとしなかった彼は、マムージャ族の風習に着想を得て、次代の王を選定する「継承の儀」を断行。ウクラマトとコーナの王位継承を見届けると、その継承式の場において、老衰により理の頭が3年前に死亡していたことを明かす。
 さらに、その後しばらくしてアレクサンドリアの軍勢によって王都トライヨラが襲撃された際には、これを率いていた実子ゾラージャを迎え撃ち、正々堂々と決闘。一度は勝利するものの、レギュレーターによる復活と強化を経た息子によって殺害されてしまうのだった。"
141,トラル大陸
142,トラル大陸
143," エオルゼアから見て、遥か西方に位置する大陸。
 厳密にはふたつの大陸、すなわち父なる北部大陸「サカ・トラル」と母なる南部大陸「ヨカ・トラル」によって構成される。
 多種多様な部族が暮らしており、歴史的にも争いが絶えなかったが、約80年前にグルージャジャという稀代の英傑の手によって統一されたことでトライヨラ連王国が成立、以降は概ね平和な世が続いてきた。
 しかし、継承の儀を経て、王位が次世代の武王ウクラマトと理王コーナに継がれた直後に混乱が生じる。サカ・トラルの一角、ヤースラニ荒野に突如として輝く巨大ドームが出現。その内側より、先王の実子であるゾラージャに率いられた機械仕掛けの軍勢が現れ、王都トライヨラを襲撃したのだ。
 結論から言えば、ドームの内側は鏡像世界のひとつと局所的な世界統合が果たされていた。そして、次元の狭間を超えた統合による影響なのか、時間の流れに30年のズレが生じており、その間に異界の勢力を束ねる女王スフェーンとゾラージャが手を結ぶことで「新生アレクサンドリア連王国」なる国家が勃興していたのである。そして、アレクサンドリアが豊富なエーテルを求めて侵略を企図したことで、トラル大陸は混乱の渦に呑まれることに。
 冒険者と新連王の活躍によって侵略の脅威は払われたものの、現在もドームは存在しており、ヤースラニ荒野出身者の帰郷など、解決すべき多くの課題が遺されている。"
144,継承の儀
145,継承の儀
146," トライヨラ連王国の次期国王となる者を選定すべく、初代連王であるグルージャジャが行った儀式のこと。
 王位継承候補者として参加したのは、以下の4名。グルージャジャの実子である第一王子ゾラージャ、養子の第二王子コーナ、同じく養子の第一王女ウクラマト、そして武闘大会の覇者として王族以外で唯一参加権を獲得した双頭のマムージャ族、バクージャジャである。
 連王が定めた勝利条件は、トラル大陸のいずこかに存在する伝説の「黄金郷」を発見すること。しかし、そこに至るには、7つの秘石を集めて封印を解く必要があったため、継承候補者たちは自ずと過去にグルージャジャが辿った旅路をなぞりながら、各地で待ち受ける「連王の選者」に会い、試練を受けて秘石を授かるという工程を踏むこととなった。
 一見すると回りくどく思えるこうした仕組みは、祭りを好むグルージャジャの気質によるものと思われたが、実際には部族の長でもある選者たちとの交流を通じて、それぞれの部族の文化や歴史を知り、王としての器を磨くという目的があったようだ。"
147,トラルヴィドラール
148,トラルヴィドラール
149," トラル大陸において極稀に現れる、長き歳月を生きたことで種の限界を超えた規格外の魔物のこと。
 その絶大な力は周囲の環境に多大な影響を及ぼすため、「大地を掌握する者」を意味するトラルヴィドラールと呼ばれる。
 これまでにいくつかの個体が確認されているが、その中でも最強の存在として名高いのが「ヴァリガルマンダ」だ。長き歴史の中で幾度も目覚めては破壊のかぎりを尽くし、「生ける天災」として人々を恐怖に陥れたという。しかし、約80年前にオルコ・パチャ上空に姿を現した際、グルージャジャの一行により倒され、以降、カーリョーザー祭拝殿に封印されてきた。
 ところが、次期王位を巡る「継承の儀」の最中に、継承候補者のひとりバクージャジャの手によって封印が破られ、ヴァリガルマンダは覚醒してしまう。幸いにもほかの継承候補者たち、すなわちウクラマト、コーナ、ゾラージャの三兄妹と、その仲間たちが協力することによって討伐が成され、伝説に終止符が打たれることとなった。"
150,雷光大戦
151,雷光大戦
152," 鏡像世界のひとつ「第九世界」において、約450年前に勃発した大戦のこと。旧アレクサンドリア王国をはじめとする主要国家を巻き込んだことで、世界の崩壊を決定づけた。
 事の発端は、世界規模で発生した環境エーテルの異変にある。雷属性の力が強まり続ける状況下で、雷雨を伴う雨季は年を追うごとに長引き、日照不足が田畑や家畜を痩せ細らせていく。そんな終わりの見えない苦境は、偏った環境エーテルが生み出した特異な鉱石「エレクトロープ」の発見によって大きな変化を見せることとなる。雷属性の力を蓄える性質を有するこの鉱石に、ミララ族に伝わる知識を応用した魔法回路を刻むことで、様々な属性の力へと変化させる手法が発明されたのだ。結果、エレクトロープは万能の物質となり、多くの有用な機器が生み出されることになる。
 しかし、当時のエレクトロープ産出量は、万人の需要を満たすには程遠く、国家間での資源の奪い合いという、新たな火種をもたらした。そして、戦争ともなれば、エレクトロープが軍事兵器に用いられないはずもない。ついには大国「リンドブルム」が生み出した最終兵器が戦線へ投入されたことで、環境エーテルのバランスが崩壊、霊災級の災害が発生した。数多の犠牲者を生んだ末に雷光大戦は勝者なく終結し、かろうじて国土を護り抜いた旧アレクサンドリア王国に、各国から避難民が殺到する事態となった。"
153,エバーキープ
154,エバーキープ
155," 「ヘリテージファウンド」の中央に聳え立つ、全十二層からなる巨大な塔。
 環境エーテルのバランスが崩壊した第九世界において、旧アレクサンドリア王国は壊滅を免れた唯一の大国となったが、それでも被害は凄まじく、降り止まぬ雷雨によって国土の大半が水没していた。
 こうした中、有志によって結成された科学者集団「プリザベーション」は、避難民が身を寄せ合う王城を囲むようにして塔を建造し、上昇を続ける水位から人々を保全する計画を発表。史上類を見ない大規模な工事となったが、エレクトロープ技術を多用することで、不可能を可能としていく。以後、数百年をかけて増改築を続けた結果、居住区画に加え、一次産業や二次産業を担う生産区画など、生活に必要なあらゆる施設を内包した現在の姿にまで発展した。
 なお、エバーキープが完成する頃には国民生活も安定しており、最上層には娯楽施設「リビング・メモリー」が開かれるほどの状況となっていた。しかし、保存した死者の記憶から再現体を生成する技術が確立されたことで、のちに施設は封鎖され、永久人たちの街として運用されることとなる。また、「世界を繋ぐ力」によって原初世界側と融合した際、リビング・メモリーだけが切り離され、第九世界側に取り残されている。"
156,オブリビオン
157,オブリビオン
158," 旧アレクサンドリア王国時代に発足した抵抗組織。
 創設者はクルルの両親でもある、ロボルとアライラ。彼らは元々プリザベーションの構成員だったが、長であるカリュクスが「世界を繋ぐ力」の鍵を用いて異界を侵略しようとしている事実を掴んだことで同組織を脱退、反プリザベーション勢力として、オブリビオンを設立したようだ。その後、彼らは「鍵」を奪還すると、これを用いて異界への接続を試み、被検体として追われていた赤子のクルル共々、「鍵」を原初世界へと逃がすことに成功する。しかし、構成員のその後の消息は不明であり、ロボルとアライラはリビング・メモリーで永久人の姿で発見されている。
 かくして一度は活動を停止していたオブリビオンであったが、数十年の後に、カフキワ、シェール、ジオードが彼らの拠点であったバックルームを発見したことで運命が変わり始める。「鍵」に関する詳細な情報は削除されていたものの、抵抗勢力としての活動内容に賛同したカフキワらが、オブリビオンの名を受け継ぐ形で組織を再構成したのだ。以後、カフキワをリーダーとして新生されたオブリビオンは、武王ゾラージャによる侵略行為を阻止するために活動してゆくこととなる。"
159,レギュレーター
160,レギュレーター
161," 新生アレクサンドリア連王国において、国民たちに支給されている小型のエレクトロープ機器。
 この装置には、いくつかの驚くべき機能がある。中でも最大のメリットとされるのは、漂白された「魂資源」をストックしておくことで、着用者が事故などで死亡した際に、自動的に失われた生命力を補填して「蘇生」する機能だろう。これにより新生アレクサンドリア連王国の国民は、ストックがあるかぎり天寿を全うできるとされてきた。この魂資源は蘇生以外にも、一時的な身体能力の強化にも利用できることから、軍の兵士や魔物の駆除を行う者たち、あるいは娯楽分野の闘士たちにまで利用が浸透していたのである。
 また、着用者の記憶領域にアクセスする機能も併せ持っており、「死者に関する記憶」を封印することで「死への恐怖」を取り除いたり、「記憶のバックアップ」を行って死亡時の記憶損失を防いだりすることに利用されていた。このとき保管されていた記憶は、完全なる死亡後に行われる「永久人」の生成にも転用されていたようだ。
2026-01-27 09:53:02 -06:00
 ただし、こうした機能は為政者による都合のよい記憶改ざんというリスクをも背負っていた。その最たるものが「黒いレギュレーター」である。カリュクスが、シミュラントを介して配布したこのレギュレーターは、外装以外はほぼ通常の機器と変わりがないものの、「利用登録すれば永久人になれる」と喧伝することで、人々に「死への恐怖」を再認識させることに利用された。結果、市民たちから集められた恐怖心が、蛮神「永遠の闇」の召喚に利用されたのである。
 なお、カリュクスの脅威が退けられた後には、ガバメントの主導によって、希望者に対して封じられた「死者に関する記憶」の解放という措置が行われている。こうした事が可能となったのも、皮肉ではあるがレギュレーターの存在あればこそと言えるだろう。"
162,エレンヴィル
163,エレンヴィル
164,元グリーナー
165," オールド・シャーレアンにて、政府公認のグリーナーとして働いていた青年。
 トラル大陸のヤースラニ荒野にて、カフキワの長子として誕生。母に教えを受け、自然界について学び、特に野生生物に関する知識を蓄積していった。そんな親であり、師でもあるカフキワから一人前として認める条件として提示されたのが、トラル大陸において伝説として語られる「黄金郷」の発見という課題であった。
 長じた後、オールド・シャーレアンに渡ったのも、この課題を突破するために必要な知見を広げるためであったが、主に動物の収集を担うグリーナーとして働くうちに、黄金郷は伝説に過ぎないと考えるようになっていったようだ。
 そんな彼にとって転機となったのが、母国でもあるトライヨラ連王国における「継承の儀」の開催である。連王グルージャジャの玉座を継ぐ者を決定するためのこの儀式に、幼馴染でもある王女ウクラマトが参戦を表明。これに挑むにあたっての、実力ある協力者の紹介を依頼されたのである。
 この求めに対し、彼は「終末」現象を巡る騒動の最中で出会った、エオルゼアの英雄を紹介する。そして、自身もトラル大陸のガイド役として、この旅路に同行したことで運命が変わっていく。なんと驚くべきことに、「継承の儀」の最終目的が、黄金郷の発見という彼自身に与えられていた課題と重なっていたのだ。
 冒険者らの協力の甲斐あり、ウクラマトは次々と王の選者が示す試練をこなし、最終的に「天深きセノーテ」の最奥にて黄金郷の扉を発見。王位を継承することとなる。
 かくして、帰郷のついでにカフキワへと課題の達成を報告しようとしていたエレンヴィルであったが、故郷でもあるヤースラニ荒野が謎めいたドームに包まれる様子を目撃。その内側から現れた機械仕掛けの軍勢により、王都トライヨラが襲撃されたことを受け、彼自身も新たな武王となったウクラマトに同行し、ドーム内の探索に赴くことに。
 だが、異界と融合した故郷で待っていたのは、母の名を名乗る奇妙な機械だった。カフキワは、原初世界との間に隔てられた30年の間に、外征を企図する武王ゾラージャに対抗するため、反政府組織オブリビオンの指導者となっていたのである。
 以後、カフキワやオブリビオンの構成員たちと協力しつつ、武王の排除に貢献するエレンヴィルであったが、その先で彼は知ることになる。機械を遠隔操作していたと思われていたカフキワは、すでに死亡しており、記憶から再現された「永久人」と化していたという事実を――。
 永久人が暮らす街、リビング・メモリーにて、母と最期の時を過ごしたエレンヴィルは、彼女の夢を継ぐことを決意する。それは、世界中を旅し、見たことのない生き物を発見すること。一連の騒動を解決した後、グリーナーを辞した彼は、この新たな夢に向かい船に乗り込むのだった。"
166,ウクラマト
167,ウクラマト
168,"トライヨラ連王国
武王"
169," トライヨラ連王国の第二代武王。
 イクブラーシャ族の族長フンムルクの長女として生を受けるが、幼少期に敵対部族から送り込まれた刺客によって、セノーテに突き落とされてしまう。幸いにも一命を取り留めたものの事態を重く見た彼女の父は、娘の死を偽装した上で秘密裏に連王グルージャジャの下へと養子に出すという選択を採る。以後、ウクラマトは実父の存在を知らぬまま、王族のひとりとして、義兄のゾラージャとコーナと共に養育されることとなる。
 時を経て、民に愛される王女となった彼女は、次代の玉座を賭けた「継承の儀」への参加を決意。幼馴染のエレンヴィルの紹介で、オールド・シャーレアンへと渡ると、冒険者らに助力を求めるのだった。この戦いは波乱の展開となったが、冒険者と共に各地を巡る過程で各部族の歴史や文化、その想いを知ることで、王としての資質を磨いてゆくこととなる。そんな彼女が、当初の下馬評を覆して勝利を掴んだのは、養父グルージャジャにとっては喜ばしい結末と言えた。
 だが、義兄コーナと玉座を分かち合うことを選び、新たな武王となったウクラマトの治世は、必ずしも平穏な始まりとはいかなかった。サカ・トラルに突如として巨大なドームが出現したかと思うと、その内側より義兄ゾラージャに率いられた機械仕掛けの軍勢が現れ、王都トライヨラを襲撃してきたのだ。この攻撃で多くの民が犠牲になったほか、あろうことかグルージャジャまでもが命を奪われることに。
 ウクラマトは武王として、家族として、ゾラージャとの決着をつけるために遠征を企図。ふたたび冒険者と行動を共にしつつ、ドーム内に広がる新生アレクサンドリア連王国へと潜入し、当地の反抗勢力の助けを借りながら、義兄を討ち倒すことに成功するのだった。
 しかし、その背後には更なる脅威が控えていた。新生アレクサンドリア連王国において理王を務めるという少女、スフェーンが、国民から抽出した記憶に基づく再現体「永久人」を生かすため、その糧として他の世界から生命エーテルを奪取しようとしているという事実が明らかとなったのだ。この危機に対し、ウクラマトは一時は共に歩んだ相手との戦いに迷いを見せながらも、心を捨てエターナルクイーンと化したスフェーンを倒し、今を生きる命を護っている。
 エターナルクイーンとの最終決戦の折、ウクラマトは古の女王の記憶によって紡がれた永久人としてのスフェーンと、「アレクサンドリアを護る」という約束を交わす。
 この出来事は、彼女にとって大きな意味を持ち、やがて永久人を生み出した孤高の天才、カリュクスとの対決へと導いてゆく。更に約400年の眠りから目覚めたオリジナルのスフェーンと出会い、共闘することで、カリュクスが召喚した死の恐怖による蛮神「永遠の闇」を討ち倒すことに成功。ウクラマトは、トラルに真の平和を取り戻すことに貢献し、先王スフェーンとの約束を守り抜いたのだった。"
170,コーナ
171,コーナ
172,"トライヨラ連王国
理王"
173," トライヨラ連王国の第二代理王。
 ローデニヘタ平原を遊牧するヘイザ・アロ族の一団に生まれた彼は、両親の庇護下で伝統的な暮らしを送っていたが、あるとき草原の中に置き去りにされてしまい、幼くして天涯孤独の身に。不幸中の幸いだったのは、通りすがりのペルペル族の行商人が彼を保護し、独力で生き抜くために必要な商いの知識を教えてくれたことだろう。ほどなくトライヨラにて露天商として頭角を現した彼は、やがて連王グルージャジャの目に留まり、養子として引き取られることとなる。かくして孤児の少年は、一夜にして連王の実子であるゾラージャに次ぐ、第二王子となったのである。
 それからしばらく後のこと、ウクラマトが第一王女として養子に迎え入れられた。このときコーナは、自分と似た境遇の義妹に同情し、彼女が穏やかに暮らせるよう義兄として支えていくことを誓ったのだった。
 王宮という最高の教育環境を得たことで、コーナは、その才能を開花させてゆく。特に学業に優れた彼はトラル大陸を飛び出し、シャーレアン魔法大学へと留学。ここで最新技術を学んだ彼は、母国に帰るや否や義父である理のグルージャジャに、鉄道や気球を導入したインフラの整備を進言するなど、技術による国民生活の向上を図ってゆく。こうした彼の行動は人々の支持を大いに集め、いつしか若年層を中心とした「革新派」と呼ばれる層が出現することに繋がった。
 その声に背中を押されるように、次代の玉座を賭けた「継承の儀」では、シャーレアンで学んだ知識と持ち前の閃きを駆使しつつ、協力者であるサンクレッドやウリエンジェの力を借りることで、次々と試練を突破していった。
 しかし、「継承の儀」の旅を通じて旧来の伝統文化の重要性や、そこで暮らす人々の想いを知ったコーナは、自身がこれまで思い描いてきた技術発展のみを重視した政策に疑問を抱くようになる。やがて、民の笑顔を護るために戦う義妹こそ、王位を継ぐに相応しいと確信すると、自ら「継承の儀」を棄権。ウクラマトが試練を超える助けとなるのだった。
 その後、継承式の場で王位を継いだウクラマトの指名により、理王の座に就任。連王としてトライヨラを導く指導者となる。
 機械仕掛けの軍勢による王都襲撃の折は、建国以来史上初の国外勢力による武力侵攻という難局に対しても冷静に対処。即座にラザハンと国交を結ぶことで、太守ヴリトラを筆頭とするドラゴン族の航空支援を取り付けるなど、国土防衛に大きく貢献した。
 なお、孤児であるコーナは、両親に捨てられた幼き日の記憶を長年心の底に抱えたまま生きてきたが、あるとき、転機が訪れる。故あって訪れたメワヘイゾーンのヘイザ・アロ族から、20年前にローデニヘタ平原で暮らす同族が見舞われた痛ましい事件について伝え聞いたのだ。話によると、彼らはロネークの天敵であるヅルヘイゾヒリによる襲撃を受け、多くの者が犠牲になったとのこと。そして、それほどの惨状の中でなお一団が全滅を免れることができたのは、とあるひと組の夫婦の自己犠牲あってのことだというのである。彼らは幼い息子を同胞に託すと、逃げ惑う人々を掻き分けながらヅルヘイゾヒリへと向かい、自らを囮として時間を稼いだのだ。だが、彼らの息子は混乱の最中で集団からはぐれ、行方不明になってしまったという。
 一部始終を聞いたコーナは、その夫婦こそ自分の両親だったのではないかと思い至る。両親は幼い自分を見捨てたのではなく、護るために身命を賭したのではないか。確たる証拠こそないが、その日から彼の中で「何か」が変わったのは確かであった。 "
174,ゾラージャ
175,ゾラージャ
176,"新生アレクサンドリア連王国
武王"
177," 新生アレクサンドリア連王国の初代武王。
 トライヨラ連王国の初代連王、双頭のマムージャ族であるグルージャジャの実子として生を受けた。
 それは、トラル大陸の人々にとって「奇跡の子」の誕生だった。大陸の統一を成し遂げた偉大なる連王グルージャジャの息子、そして何より、子を成せないとされていた双頭のマムージャから生まれた子であったことから、当然のように彼には多くの期待が寄せられることとなる。
 聡い彼もまた、自身に課せられた運命を正しく理解した。幼い頃より努力に努力を重ね、あらゆる誘惑から自分を切り離し、鍛錬に打ち込んで着実に力を付けた。次代の王となり、尊敬してやまない父の偉業を超え、「奇跡の子」であり続けるために。
 そうして王座に向かって歩いてきたはずのゾラージャの路は、次代の玉座を賭けた「継承の儀」で断たれてしまう。
 試練として相対した「全盛期のグルージャジャ」の再現体に勝つことができなかったばかりか、反則行為を犯したとして失格処分となってしまったのだ。かくして勝利の栄冠は義妹ウクラマトの手に渡り、彼女が義弟コーナと共に連王となることに。
 王となるためだけに生きてきたゾラージャにとって、このたった一度の敗北は、精神を崩壊させるに十分な痛手となった。
 その後、側近のサレージャから手渡された「世界を繋ぐ力」の鍵によって異界に通じる扉を開いた彼は、アレクサンドリア王国を率いる永久人の王、スフェーンと接触。契約を交わして共闘関係を結ぶと、新たな国家「新生アレクサンドリア連王国」を打ち立て、自ら初代武王として君臨するのだった。
 以後の30年間、彼は障壁によって閉ざされた国土の内側で、エレクトロープを用いた先端技術を活用しながら軍備を増強、外の世界に対する侵攻計画に注力。すべての条件が整うと、機械兵の軍勢を率いて生まれ故郷でもあるトライヨラへと攻撃を仕掛けたのだ。すべては人生の目標である偉大な父を超えるため。しかし、その父をレギュレーターという技術の助けを借りて斃してもなお、ゾラージャの心に安寧は訪れなかった。
 「奇跡の子」とは、自分とはいったい何だったのか……。その答えを見つけられぬまま、ただ己の力だけを拠り所として戦い続けた彼は、やがて治めるべきアレクサンドリアの民の魂すら貪り喰うこととなる。しかし、そうまでして得た力も彼を真の強さに導くことはなく、最終的に冒険者たちによって討たれてしまうのだった。"
178,グルージャ
179,グルージャ
180,"新生アレクサンドリア連王国
王子"
181," 新生アレクサンドリア連王国の王子。
 武王ゾラージャと、その部下であった勇連隊士テーシャジャの間に生まれるも、実母の手で捨てられる。廃棄物と共にヘリテージファウンドに流れ着いたところを、オブリビオンの構成員によって発見され保護。その名すら親から与えられたものではなく、同組織を束ねるカフキワが偉大な連王から引用して命名したものである。
 障壁内にいる、マムージャ族の男性がゾラージャのみであったことに加え、「青い鱗のフビゴ族」という身体的特徴が一致していたことから、周囲の人々も、そして彼自身も「王子」であることに気づいてはいた。しかし、彼が家すら持たぬ身であることが、「捨て子」であることを何よりも雄弁に語っていた。
 そんな彼にとって父親代わりの存在がいるとすれば、それは「オーティス」と名乗る旧型の機械兵だろう。旧アレクサンドリア王国にて、騎士団長を務めた人物の記憶を持つという彼と出会い、やがて師として慕うようになったことで、グルージャの運命は大きく変わる。父親譲りの賢さを持つ彼は、オーティスの教えを吸収し、ひとりで生き抜くための術を会得。エレクトロープを操る術に至っては、師に教えを請うまでもなく、自力で試行錯誤を繰り返し修得していった。
 月日が経ち、冒険者一行が障壁内に現れた際、父ゾラージャの義妹であるウクラマトと邂逅を果たす。そして、彼らとの交流を通じて、「家族」という概念を理解し、やがて父親のことを知りたいと願うようになっていく。
 しかし、彼と父はすれ違いを続けた。力を求め続けるゾラージャが、保護すべきアレクサンドリアの民から魂を奪わんとして虐殺行為に手を染めてしまったのだ。必死に止めようとするグルージャの声は、決して父に届かない。この経験が、いかに深く彼の心を傷つけたのかは、言葉では言い尽くせないほどだろう。だが、それでもグルージャは父と向き合うことから逃げることはせず、自らの意志で、その最期に立ち会う。
 結果、彼は人生で最初で最後の「父からの贈り物」を受け取ることになる。その命が潰える間際、武王ゾラージャは人生の中で勝ち得た「武王」の権限を、グルージャに受け渡したのだ。これまで受けてきた仕打ち、父が犯した数々の罪、そして大きすぎる権力。悩みに悩んだ末、彼は新生アレクサンドリア王国の武王権限を預かることを決意するのだった。
 その後、オブリビオンの技師であるシェールに師事し、エレクトロープの扱いを学ぶこととなったグルージャは、カリュクスと決着をつけようとする冒険者たちの支援に大きく貢献する。だが、責任感の強い彼は、自分の力が及ばず武王権限を悪用されてしまったことを悔いることに。それでも、彼は幼いながらも、未熟な自分を認めることができた。一連の戦いの後、グルージャは「強さ」を求め、トライヨラで剣の修業を行うことを決意する。しかし、それは必ずしも父と同じ路を歩み始めたことを意味しない。彼はオーティスや冒険者といった、手本にすべき背中を、しっかりと見据えているのだから。"
2026-04-28 13:48:40 -05:00
182,スフェーン
183,スフェーン
184,"新生アレクサンドリア連王国
理王"
185," 新生アレクサンドリア連王国の当代理王。
 第九世界における数百年前のこと、霧の大陸の主要国のひとつアレクサンドリア王国にて、スフェーンは王女として生まれた。しかし、世界規模の戦乱である「雷光大戦」が勃発。この戦乱で両親を喪い、若くして王位を継いだ彼女であったが、環境エーテルが雷属性に偏ったことを受け、身体に麻痺症状が出てしまう。大戦を終結に導き、どうにか王国を護りはしたものの、ついには倒れてしまうスフェーン。彼女の肉体は、王家に関わる一部の人間と、その支援を受けていたプリザベーションによって低温保存されたのだった。その後、数十年の時を経て確立した技術によって、彼女は永久人として蘇ることになる。
 こうして生まれた「永久人スフェーン」は、永久不変の王としてアレクサンドリアを治め続け、やがて永久人たちが住まう理想郷としてリビング・メモリーを整備してゆく。だが、寿命に限りはなくとも、存在を維持するにはエーテルが不可欠であり、やがて限界が見え始める。
 永久人の維持に必要な生命エーテルは年々減少し、国内の循環だけではいずれ賄うことができなくなるという事実に、永久人スフェーンは焦りをつのらせていく。だが、その苦悩すらもカリュクスの筋書きだった。確実に破綻するリビング・メモリーを治め続けさせることで、永久人スフェーンに「民を護りたい」という強い願いを抱かせ、「世界を繋ぐ力」の「鍵」を発動させるためである。
 かくして助けを求めることも、差し伸べられた手を取ることも許されず、追い詰められた彼女はついに「鍵」の力を発動。そして自らの記憶を消去し、感情のない機構「エターナルクイーン」と成り果てる。愛するアレクサンドリアの民を護るため、密かに親しみを覚えていた冒険者やウクラマトたちと敵対する路を選ぶほかなかったのだ。この直接対決に敗れた永久人スフェーンは、存在が消え去る最期の瞬間に意識を再構成する。内に秘めていた本当の想いを、信頼する者たちに託すために――。そうして「鍵」は冒険者に託され、彼女が何よりも愛した民の笑顔を守ると、ウクラマトが約束するのだった。
 永久人スフェーンの消滅後、メインターミナルが停止したことで、低温状態で眠っていた「オリジナル」のスフェーンが目覚めることとなる。彼女は「新生アレクサンドリア連王国」として大きく変貌した母国の姿に驚愕するが、冒険者たちと行動を共にするうちに、民の本質は今も昔も変わらないことを知っていく。
 そんな彼女の前に現れたのは、永久人となって活動を続けていたカリュクスと、記憶のバックアップから創られた第二の永久人スフェーン、通称「シミュラント」だった。永久人を人類の進化の形と考え、その存続のため多くの命を糧にしようというカリュクスの野望を知ったスフェーンは、冒険者たちと協力しようと決意。
 そして、冒険者たちの助力もあって、「永遠の闇」を召喚したカリュクスを退けることに成功した彼女は、その後、新生アレクサンドリア連王国の新たな理王として国民たちに迎えられ、武王権限を継いだグルージャと共に、ふたたび国の未来を担うことになるのだった。"
186,ユルス
187,ユルス・ピル・ノルバヌス
188,"ガレマール帝国軍
第I軍団"
189," 第I軍団所属の下級士官。勤勉で努力家、上官の評価が高く、同期の中でも出世頭だと期待されていた。ヴァリス帝の死をきっかけとして第I軍団と第III軍団が帝都で交戦する中、戦況報告のため療養中の軍団長クイントゥスの元へ参上したところで、蛮神「アニマ」が召喚される。ユルス本人はクイントゥスらとともに事なきを得たものの、地方への避難を翌朝に控えていた両親と弟、妹がテンパードとなり、再会した際にユルス自ら手をかけることとなってしまう。
 哀しみと飢え、寒さの中を、彼は生きた。
 希望がなかったわけではない。クイントゥスが第X軍団に使者を送っていたのだ。帝国属州に派遣されている各軍団から戦力を集め、アニマのいる「バブイルの塔」……かつては魔導城と呼ばれた場所を制圧できれば、そこから帝国再建を始められるはずだった。
 しかし、霜雪を踏みしめてガレマルドへとやってきたのは、敵対していたはずの諸国が遣わした救援部隊「イルサバード派遣団」だったのだ。生き残っていた帝国市民たちは戦慄し、徹底抗戦を掲げる者も少なくなかった。第I軍団も対立の姿勢を崩さずにいる中、命懸けで対話を望んだアルフィノ、アリゼーと、監視役を任されたユルスのあいだで、ささやかな交流が始まる。青燐水を求めて凍てつく廃墟を歩き回りながら、ユルスは在りし日の帝都の風景や、短い夏にのみ広がる草原の青さを語って聞かせたのだった。
 それも長くは続かない。クイントゥスが、アルフィノとアリゼーを人質にして、派遣団に物資の譲渡と撤退を持ちかけることを決定したのだ。交渉が決裂した場合、身命尽きようとも蛮族を排せよ……それがユルスに与えられた命令だった。覚悟を決めキャンプ・ブロークングラスへとやってきたユルスに、派遣団を率いるルキアが告げる。第X軍団が、グランドカンパニー・エオルゼアに保護を申し入れてきた、と。各軍団は独自路線をゆき、帝都解放のために集うことはなかった。第X軍団そのものも、属州兵の大量離反を許し、継戦能力を喪失したとのことだった。
 かくして第I軍団の希望は潰えた。寒夜のこと、俯いたままのユルスに、派遣団の一員が温かなスープを手渡す。ただ隣人として、「生きててよかったな」という言葉とともに。
 その後は、一時的にアニマの精神汚染を受けるも快復。恐るべき「終末の災厄」が到来した際には、派遣団や「暁」に協力し、有志の帝国兵たちとともに戦った。
 ガレマルドは今なお大半が廃墟となっており、復興への道のりは遠い。それでも現地で暮らし続ける人々は「ガレアン・コミュニティ」と呼ばれ、ラザハンとの通商条約締結をはじめ、新たな未来に向けて歩み出している。
 ユルスもその一員として粉骨砕身しているわけだが……アルフィノたちと率先して絆を結んできたからか、はたまた妹や弟に向けていた面倒見の良さが発揮されているのか、すっかり輪の中心に収まっている。
 最近、異世界から来た友ができた。なんだかんだで、やはり世話を焼かずにはいられなかった模様。"
190,リヴィングウェイ
191,リヴィングウェイ
192,レポリットの統括役
193," レポリットとは、月に棲まうウサギに似た顔立ちを持つ者たちだ。その正体は、「終末の災厄」の再来に供え、月を人類の脱出船として準備するために、ハイデリンが創造した一種の使い魔であるという。リヴィングウェイは、その統括役を務める個体であり、「ハイデリン様の右腕」を自称している。
 そもそも、月とは何なのか。古代の人々は、アーテリスを脅かす「終末の災厄」に対し、召喚したゾディアークを星の意志に据え、天脈を補強することで対抗した。裏を返せば、未来についての主張を異にするヴェーネス派でさえ、ゾディアークを完全に消し去ってしまうわけにはいかなかったということだ。そこで彼女らは、ゾディアークをどうにかして人の手が届かない形で封印しなければならなかった。そのために創造されたのがハイデリンであり、ハイデリンの手によって創り出されたゾディアークの「檻」が、月なのである。
 その機構の一端である「月の監視者」によれば、ハイデリンは決して万能でも最強でもなく、いつだって窮地の中で手を尽くさなければならなかったという。月にもうひとつの役目……すなわち、人類を異星へと運ぶ「船」の役割を持たせたのも、いつかゾディアークが消滅してしまった場合に備えてのことだった。
 とはいえ、月にはゾディアーク以外に何もない。月とともに創られた、そのクルーであるレポリットたちは、長い長い年月をかけてすべてを準備しなければならなかった。かつて世界の構造を研究していたヴェーネスらの知識と理論を引き継ぐ形で、跳躍航行装置をはじめとした船の設備を製作。さらに困難だったのが、人を月に招き入れるための準備である。なにせ、人が呼吸するための大気を作るところから始める必要があったのだから……。
 レポリットは環境を構築し、それが定着するまでは休眠を取るといったサイクルを繰り返しながら、どうにか月を快適な船へと整えていった。ときには地上の協力者……ハイデリンの声を聴いたシャーレアンの哲学者議会から、現代にまつわる知識を送ってもらうこともあったという。リヴィングウェイは、このときに受け取った「余白のある本」を宝物にしている。
 そしてついにゾディアークが消滅し、月の役割が檻から船へと移行した。ところが、いち早くやってきた「暁の血盟」に環境を披露しても、反応が芳しくない。古代人を基準としていた街の規格は何もかもが大きすぎたし、最善を尽くしたはずの衣食住はどれも不評、ナンカチガウという顔をされている……!
 リヴィングウェイたちは震え上がりながらも、味方になってくれそうなウリエンジェに協力を要請。地上の人々に、月は完璧な場所だから早く避難するようにと、伝えてもらおうとしたのだ。たとえそれが真っ赤な嘘でも、一刻も早く終末から逃げなければ、大勢の命が失われてしまうのだから。
 つまるところ、レポリットは人類のことが大好きだった。それはハイデリンが「アーテリスに暮らす命への想い」を込めて彼女たちを創ったからであり……レポリット自身が、月面から青い星を見上げ、いつかそこで暮らす者たちと会える日を楽しみに船を整備してきた結果でもある。
 最終的に、月が船として使われることはなかった。人は終末と戦うことを選び、月に搭載されていた跳躍航行装置などは、「魔導船ラグナロク」に積まれることとなったのだ。
 然して終末が去った今、リヴィングウェイたちは新たな生き方を模索しているが、人の役に立てるのが嬉しいことには変わりない。いつかは嘘偽りなく、「レポリット最高、リヴィングウェイは人類の素敵な右腕」と言わしめたいと、想いを馳せる日々である。"
194,
195,
196,
197,